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王衍7  西晋のオチ担当

王衍おうえんの父は、名を王乂おうがいと言う。

平北将軍へいほくしょうぐんと言う役職に就いていたが、

失策があり、免職させられかけていた。


この点についての釈明を行おうとしたが、

赴任先から使者を遣わせても、

うまく話が進展しない。


この辺りの事情を知る王衍が、

ちょうど都に出ていた。

そこで王乂、王衍に依頼する。

この件に関する任免権を持っていた

羊祜ようこ山濤さんとうに、使者の代わりに

事情を説明してきてほしい、と。


車に乗り、王衍、二人の元に出向く。

この時王衍はまだ成人前であったが、

その麗しい見目にふさわしい

溌剌とした物言い、筋道だった論旨で、

山濤を大いに驚かせるのだった。


釈明の為の接見が終わり、

王衍が二人の前を去る。

この時山濤は、

ずっとその後姿を見守っていた。

そして、ため息をつく。


「生まれてくる子が、

 あんなだったらなぁ」


すると、羊祜が言う。


「どうだろうな。あの手の子は、

 間違いなく天下を乱すぞ」




王夷甫父乂為平北將軍,有公事,使行人論不得。時夷甫在京師,命駕見僕射羊祜、尚書山濤。夷甫時總角,姿才秀異,敘致既快,事加有理,濤甚奇之。既退,看之不輟,乃嘆曰:「生兒不當如王夷甫邪?」羊祜曰:「亂天下者,必此子也!」


王夷甫が父の乂の平北將軍為るに、公事有らば、行きて人に論ぜしむるも得ざる。時に夷甫は京師に在り、駕にて僕射の羊祜と、尚書の山濤に見ゆるを命ぜらる。夷甫は時に總角にして、姿才は秀異、敘致は既にして快、事を加うるに理有り、濤は甚だ之を奇とす。既にして退れど、之を看るを輟めず、乃ち嘆じて曰く:「生兒は當に王夷甫が如きならんか?」と。羊祜は曰く:「天下を亂す者,必ずや此の子なり!」と。


(識鑒5)




王乂

どんな失政があったか、とかに詳細はない。ただ、このひとが平北将軍であった270年ごろには禿髪樹機能とくはつじゅきのうの乱が勃発している。この辺の絡みだろうか。


それにしても王衍、桓温さまに「こいつのせいで中原はクソどもの手に落ちた」とか言われてたし、更に今回の羊祜さんとか、本当に文武両道の人から徹底的に腐される役回りなんだなー。ごめん正直面白いわ。

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