人事部で夜遅くまでお仕事をしていると、
周顗さん、不意の病におそわれ、
危篤状態にまで陥った。
それを聞いた、
当時の皇帝付き秘書長官。
かれは周顗さんのピンチに駆けつけると、
全力で介助介抱に当たった。
そのお陰もあり、周顗さん、
何とか一命をとりとめる。
さて翌朝、知らせを聞いた弟の
慌てて周顗さんの元に駆けつける。
周顗さんが寝かされている
部屋に入ってみれば、そこでは
刁協が布団の横で大泣きしていた。
周崇が来たことに気付くと、
刁協、昨晩の周顗さんが
どれだけヤバかったかを
滔々と語る。
すると周崇、刁協さんをぶん殴った!
なんで!
ひいい、と刁協さん、
扉のほうにまで退避する。
そして周崇は、アニキの前に行くと、
病状のことなんぞろくすっぽ聞かず、
こんな言葉を投げかけるのだ。
「兄貴! アンタ
あの
だってのに、なんで刁協みたいな
媚びへつらってくる奴の
世話になんぞなってる!」
言うなり、とっとと退出。
いやあの、周崇サン……
ご存じかと思いますが刁協さん、
あなたの兄上より偉いですよ……
周伯仁為吏部尚書,在省內夜疾危急。時刁玄亮為尚書令,營救備親好之至。良久小損。明旦,報仲智,仲智狼狽來。始入戶,刁下床對之大泣,說伯仁昨危急之狀。仲智手批之,刁為辟易於戶側。既前,都不問病,直云:「君在中朝,與和長輿齊名,那與佞人刁協有情?」逕便出。
周伯仁の吏部尚書と為れるに、省内に在りて夜に疾めるに危急たり。時に刁玄亮は尚書令為れば、救う備えを營みて親好の至りとす。良や久しうして小しく損ず。明くる旦、仲智に報さば、仲智は狼狽し來たる。始め戶に入れるに、刁は床に下りて之に對し大いに泣き、伯仁の昨の危急の狀を說く。仲智は手ずから之を批し、刁は戶側にて辟易を為す。既に前み、都べて病を問わず、直だ云えらく:「君の中朝に在りて和長輿と名を齊しうせるに、那んぞ佞人の刁協と情を與せんか?」と。逕ちに便ち出づ。
(方正27)
刁協
元帝3で、まさしく周崇の言う「媚び諂ってくる奴」の典型として振る舞ってる。そう言う所を踏まえれば、まぁ周崇の言い分に一分の理は見出せなくもない、……んだけどさぁ、周崇お前さぁ、アニキの危篤のピンチを救ってくれた人に対してそれはどうよ?
いや「方正」です、己の筋を貫いた人、って意味では、媚び諂ってくるよーな奴に貸しを作るとかふざけんなよクソ兄貴、になるのはわかります。けどさぁ、さすがに「悌」の問題に絡んでこないこれ? 他ならぬ兄貴自身の命を損なうタイミングだったわけだしさぁ。
和嶠
誰が覚えてんだって感じの方だから書いておきます。武帝