目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

陶侃8  川犬チョロい

ファーストコンタクトで見事陶侃とうかんさんの

ハートを射抜いた庾亮ゆりょうさま。

では会食と参りましょう。


この場にも、多分温嶠おんきょうさんの

入れ知恵が入ってる。


「川犬ケチですからね。

 上手いタイミング見計らって、

 ケチっぽいことしてください。

 あの川犬、更に参りますよ」


という事で庾亮さま、

ニラをいただいていた。

ふと箸が止まる。

根っこの部分、白い箇所。

思い立ち、脇によけた。


「?

 庾亮ドノ、ソレヲドウスルダ?」


「植えれば、また葉が

 生えてくるであろう?」


ズッギュウウゥウウウン!

陶侃さん、見事に射抜かれた。


タ、タダノ青瓢箪ジャネエドコノ男、

統治モワカッテオル。


……ちょろい。




蘇峻之亂,庾太尉南奔見陶公。陶公雅相賞重。陶性儉吝,及食,噉薤,庾因留白。陶問:「用此何為?」庾云:「故可種。」於是大歎庾非唯風流,兼有治實。


蘇峻の亂にて、庾太尉は南に奔り陶公に見ゆ。陶公は雅して相い賞重す。陶が性は儉吝にして、食に及び、薤を噉い、庾は因りて白きを留む。陶は問うらく:「此れを用いるに何をか為さんや?」と。庾は云えらく:「故より種うるべし」と。是に於いて庾の唯だ風流にのみ非ず、治實を兼ねて有せるを大いに歎ず。


(儉嗇8)




注とかでは「調理済みのニラ植えて改めてニラが生えてくるわけねえだろバーカ」とかツッコミが入ってる。oh...


ちなみに陶侃さんのけちっぷりは相当なものだったようで、世説新語にもエピソードが載っていたりします。

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?