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桓温1  柳との再会

桓温かんおんさまの北伐時のことである。


桓温さま、以前琅邪ろうや内史であった。

その頃、金城きんじょうと言う地の辺りに

柳の種をまいていた。


数十年の時を経て、

改めて金城の地に立った桓温さま。


あの時まいた柳の種は、

今や立派な幹に枝葉を茂らせている。


ああ、と桓温さまは嘆く。


「木ですらこれだけ見違えるのだ。

 ならば、人だけが変わらん、

 などという事もまた望めんだろう」


そう言って柳の枝を引き寄せ、

はらはらと涙をこぼすのだった。




桓公北征、經金城。見前為琅邪時種柳、皆已十圍、慨然曰:「木猶如此、人何以堪?」攀枝執條、泫然流淚。


桓公の北に征せるに、金城を經る。前に琅邪為りし時に種す柳の皆な已に十圍なるを見、慨然として曰く「木にても猶お此の如くなれば、此れ人の何をか以て堪えんや?」と。枝に攀ぢ條を執り、泫然として淚を流す。


(言語55)




ここは簡文さまとの仲の移り変わり、

と妄想しておきたいところですね。


しかしいきなりウェットだな。

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