山頂からは建康の様子が一望でき、
その向こうには雄渾なる
みごとな眺めだ。
三人はそこで酒を交わし、楽しんでいた。
そのような中、突然劉惔、
桓温さまの肩に足を乗っける!
酔っぱらいすぎでしょうアンタ。
なにやっとんねんお前、
さしもの桓温さまも
この振る舞いにはこらえきれず、
劉惔の足を払いのける。
さて下山ののち、王濛が劉惔に言う。
「お前、あれがマウンティングに
容易に屈してくるやつだと思うか?」
王劉與桓公共至覆舟山看、酒酣。後劉牽腳加桓公頸。桓公甚不堪、舉手撥去。既還、王長史語劉曰:「伊詎可以形色加人不?」
王と劉とは桓公と共に覆舟山に至りて看、酒に酣ず。後に劉は腳を牽き、桓公が頸に加う。桓公は甚だ堪えず、手を舉げ撥い、去る。既に還ざば、王長史は劉に語りて曰く「伊れは詎ぞ形色を以て人に加うべかるや不や?」と。
(方正54)
「王劉」とかもれなくワンセットになってくる劉惔さんと王濛さん。そして相変わらず、敬称がほぼ間違いなくタイムラインと相関してない。「公」の首に足のっけるとかどこの阮籍だよって話になりますし。