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桓温10 ワガママなおみ足

王濛おうもう劉惔りゅうたん桓温かんおんさまと一緒に

建康けんこうの北東にある山、覆舟ふくしゅう山に登る。


山頂からは建康の様子が一望でき、

その向こうには雄渾なる長江ちょうこう

みごとな眺めだ。


三人はそこで酒を交わし、楽しんでいた。

そのような中、突然劉惔、

桓温さまの肩に足を乗っける!


酔っぱらいすぎでしょうアンタ。


なにやっとんねんお前、

さしもの桓温さまも

この振る舞いにはこらえきれず、

劉惔の足を払いのける。


さて下山ののち、王濛が劉惔に言う。


「お前、あれがマウンティングに

 容易に屈してくるやつだと思うか?」




王劉與桓公共至覆舟山看、酒酣。後劉牽腳加桓公頸。桓公甚不堪、舉手撥去。既還、王長史語劉曰:「伊詎可以形色加人不?」


王と劉とは桓公と共に覆舟山に至りて看、酒に酣ず。後に劉は腳を牽き、桓公が頸に加う。桓公は甚だ堪えず、手を舉げ撥い、去る。既に還ざば、王長史は劉に語りて曰く「伊れは詎ぞ形色を以て人に加うべかるや不や?」と。


(方正54)




「王劉」とかもれなくワンセットになってくる劉惔さんと王濛さん。そして相変わらず、敬称がほぼ間違いなくタイムラインと相関してない。「公」の首に足のっけるとかどこの阮籍だよって話になりますし。



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