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桓温12 入幕の客(物理)

桓温かんおんさま、郗超ちちょうと共に

粛清すべき人物のリストを作っていた。


それが一通り出来上がってみれば、

夜ももう遅い。

そこで桓温さまと郗超、同衾して寝る。


……もうツッコみませんよ?


翌朝に桓温さま、謝安しゃあんさまと王坦之おうたんし

寝室にまで呼び寄せ、

作成した粛清者リストを投げ寄越す。


このリストを見て、謝安さまは無言。

王坦之は「さすがに多すぎでしょう」と

桓温さまに投げ返した。


すげえもんが

ポンポン飛び交ってんな……。


ううむ、そんなもんか。

桓温さま、リストのうちの何人かを

抹消しようと筆を執った。


するとベッドのカーテンの向こうから


「んぅ……桓温さま……」


と、郗超がぼそりと寝言。


謝安さま、我慢ならない。

衝き上がる可笑しさをこらえきれず、

言い放ってしまう。


「郗超くんこそ、まさしく入幕の客、

 と申すべきでありましょうな」




桓宣武與郗超議芟夷朝臣。條牒既定、其夜同宿。明晨、起呼謝安、王坦之。入、擲疏示之。郗猶在帳內、謝都無言。王直擲還、云:「多。」宣武取筆欲除。郗不覺竊從帳中與:「宣武。」言。謝含笑曰:「郗生、可謂入幕賓也。」


桓宣武は、郗超と芟夷せるべき朝臣を議す。條牒の既に定まるに、其の夜は宿を同じうし、明くる晨に起き、謝安、王坦之を呼ぶ。入れるに、疏を擲ちて之を示す。郗は猶も帳が內に在り。謝は都べて言無し。王は直ちに擲ちて還じて云えらく「多し」と。宣武は筆を取りて除かんと欲す。郗は覺えず竊かに帳中より「宣武」が言を與う。謝は含み笑いて曰く「郗生、入幕の賓と謂うべきなり」と。


(雅量27)




最大破壊力の(要検討)案件が来てしまった……


雅量(意味深)

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