目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

劉惔14 猿山の大将

謝尚しゃしょう殷浩いんこうさんに手紙で言う。

劉惔りゅうたん会稽かいけいしょうの地位を

与えてはくれないかい、と。


すると殷浩さんは答えた。


「劉惔か? アレは取り巻き以外は

 蹴落としてくるような輩だろう。

 猿山の大将みたいなもんだ。


 常々思っていたのだが、

 なんで奴のために、

 あなたがそうもへりくだって、

 骨を折ってやらねばならんのだ?」




謝鎮西書與殷揚州,為真長求會稽。殷答曰:「真長標同伐異,俠之大者。常謂使君降階為甚,乃復為之驅馳邪?」


謝鎮西は殷揚州に書を與え、真長を會稽に求む。殷は答えて曰く:「真長は同じきを標し異なるを伐ちたる、俠の大なる者なり。常に君をして階を降らしめんこと甚だしきを為さんと謂ゆ、乃ち復た之が為に驅馳せんや?」と。


(輕詆10)




すっげ、殷浩さん激烈……。


清談の新旧ナンバーワン同士の争いって趣があって、みにくくて良いですな。

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?