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062 いい湯だな

「はぁ、極楽…」

肩まで浸かると声が出た。

とろみのある液体をすくい上げ、顔を洗う。

独特の匂いが鼻を突くが、それも醍醐味。

天を見上げ、一息。

俗世のけがれを洗い流すようだ。


「日本人、なぜ皆そうするんだ?」

「魂に刻まれてる、のかな」

そう答えると、獄卒は血の池の縁で肩をすくめた。

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