カーチスカの攻撃に私が死を確信した瞬間現れたエレオノは、異様な威圧感と紅の瞳を伴い私を助けてくれた。
「エレ……オノ……なんですか?」
「そうだけど、えと、そんなに変わってる?」
「あっ、いえ、なんとなく雰囲気が、それに瞳の色も……」
目の前に居るのがエレオノだと理解は出来てるのにこの威圧感とあの瞳が、私の知るエレオノだと否定させる。
何が起こったんですか!? いきなり変わりすぎですよ!!
私がエレオノの変化に驚いているとカーチスカも同じように問い掛ける。
「貴女……それは何?」
「さあ? 答えると思う?」
なんというかご主人様みたいな受け答えですね?
「くっ! 舐めた口を! 良いわ、どんなに変わろうと構わない!死になさい!」
カーチスカはエレオノの返答に怒りを露わにすると、怒りを込めるように鞭を振るう。
あんな風に言われたら怒りますよね。
私は少し場違いな感想を抱きながらカーチスカとエレオノの戦闘を眺める。
目の前で行われる戦闘はとても私が入り込める隙が無かった。
……凄い。どうやってこんな強さをこの短時間で手に入れたんでしょう?
エレオノはどういう方法を使っているのか、カーチスカの目視さえしづらい鞭による攻撃を一度も当たる事なく距離を詰めていく。
あれは? もしかして身体が何かに変化する事で鞭が通り抜けてる?
鞭が何度かエレオノに当たる瞬間身体を通り抜けていくのを見て、恐らくそうなのだろうと結論付ける。
「くっ、いつの間にそんなスキルを! まさか最初から力を隠していた!」
「あなた程度に出す羽目になるとは思わなかったからね!」
いや、ありませんよね!? 私知りませんよ!!
〈アリシア、エレオノはどうやら剣の力であの力を手に入れたようです〉
剣の力であんなに強く!? ずるいくないですか!?
〈言っている場合ではありません。何時でも動けるように準備を……〉
えっ! あっ、はい。
カーチスカはエレオノの言葉を信じたのか攻撃の手が鈍る。それを好機と見てエレオノは一気に距離を詰め剣技【連斬】を放ちカーチスカの身体を切り刻んだ。
威力もスピードも今までとは比べ物にならないくらい上がってる。
「クアァァアァア!」
「アリシアァァ!」
〈アリシア今です!〉
自身の目の前で行われていた熾烈な戦いに目を奪われていた私は、エレオノとヘルさんに名前を呼ばれる事で我に帰り、二人の言わんとする事を理解した。
「ああぁぁああ!」
私は叫びながらアースニードルを無数に放ちカーチスカを串刺しにし、更にアースニードルから流れ出る血をアイスバーンで凍らせ動きを止める。
「ギャアァァァ!」
私の魔法で動きを止められたカーチスカは必死にもがくが、すぐに抜け出す事は出来ず憤怒の表情を浮かべる。
そこにエレオノが自身の一番攻撃力のある剣技【穿孔迅】を放つ。
この技は回転を加え一撃に全ての力を込める突き技で、破壊力とスピードがある技だと言っていた。
「ガギャ……ァ……ァ…」
エレオノの【穿孔迅】は見事にカーチスカの心臓を貫き動きを止めた。
倒したの?
▶アリシアのレベルが5に上がりました。
HPが550に上がりました。
MPが640に上がりました。
物攻が150に上がりました。
物防が170に上がりました。
魔攻が350上がりました。
魔防が336に上がりました。
敏捷が155に上がりました。
知恵が520に上がりました。
器用が260に上がりました。
【半魔眼】を習得しました。
【魔弓LV.4→LV.5】になりました。
【MP消費緩和LV.6→LV.7】になりました。
スキルポイントを20獲得しました
▶アリシアのレベルが6に上がりました。
HPが575に上がりました。
MPが675に上がりました。
物攻が165に上がりました。
物防が185に上がりました。
魔攻が366に上がりました。
魔防が352に上がりました。
敏捷が165に上がりました。
知恵が550に上がりました。
器用が275に上がりました。
運が45に上がりました。
【天泣】を習得しました。
【思考加速LV.2→LV.3】になりまた。
【薬草調合LV8→LV.MAX】になりスキルが【薬剤調合LV.1新】に変化しました。
スキルポイントを20獲得しました。
▶ハクアのレベルが10に上がりました。
▶エレオノのレベルが20に上がりました。
▶アクアのレベルが12に上がりました。
▶コロナのレベルが17に上がりました。
▶コロナのレベルが18に上がりました。
「アリシア! アクア! コロ! 皆大丈夫?」
「平気」
「だ、大丈夫かな」
「エレオノ凄かったですね。いきなりあんなに強くなってたから、ビックリしましたよ」
「あはは、えと、話すと長くなるんだけど…」
「大丈夫です。概要だけですがヘルさんから聞きました」
「そっか後でちゃんと皆が居る時に話すよ」
「そう……ですね。わかりました。皆で聞きます」
エレオノとの会話が終わるとそれを見計らったように、援護に来てくれていてた冒険者の一人が話しかけてくる。
「おぉ、嬢ちゃん達助かったぜ! 危うく死ぬ所だったぜ。助けに来たのに助けられるたぁ情けねぇな」
「いえ、助かりました」
「私も助かったよ」
「そう言って貰えりゃ、こっちも立つ瀬があるな」
「ええ、ですがまだ終わって居ません。敵は後二人居ます。まだ戦う気力のある人は私達に力を貸して下さい! 皆治療をしたら行きましょう」
「OK」
「ゴブ」
「分かったかな」
「おう、動ける奴ぁ俺に続けまだまだ働くぞぉ!」
「「「おぉ~!」」」
「あ、あの~」
「あっ、貴女さっきの女の子」
ご主人様の元に向かう直前エレオノの治療をしていた女の子が話し掛けて来る。
「行きなり走って行ってしまったので驚きました」
「あっ、ごめん! それに、治療してくれたお礼もまだだったよね?」
「あっ、いえ、そんな事はどうでも良いですよ」
「そんな訳には行かないよ」
エレオノがお礼を言おうとすると女の子は恐縮してしまう。
「本当に良いですよ。それよりも……」
ザクッ!
「えっ? いっ、つぅ!」
何故だか女の子はいきなりエレオノの事をナイフで突き刺した。
「貴女何を──」
「動かないでね?」
なっ!? 身体が……動かない。
いきなりエレオノの事を突き刺した女の子一体何がどうなっているの?