リズの放つ火炎魔法に怖じ気づいた敵は、撤退していき、仲間たちと合流しようとした。
彼等を追撃しようにも、外からは援護射撃により、幾つもの銃弾や魔法などが発射される。
「へへ…………ここまで、くれば」
「安心だな? ん?」
フェイスバイザー付きのヘルメット&アーメットを被る海トカゲ団員たちは、味方に合流できる。
そう思い、安堵していたが、外に出た彼等は、右側から走ってきた
「ぐはっ!!」
「ぎゃああ~~~~」
「うわっ! あの二人が殺られたっ!」
「コイツらを盾に取…………できないねっ!」
黒いコンボイは、二人を吹っ飛ばしながらも、四角い
ショーンは、驚きながらも、何とかタワーシールドを構えて背後に下がる。
咄嗟に、フリンカは黒焦げになった死体を、肉盾にして、前に出ようとした。
そして、二人に集中的な射撃が浴びせられて、火の玉や散弾が、何発も飛んでくる。
「このまま、撃ち続けろっ!」
「不味い、この威力はっ!!」
「ライルズ、やっちまってよ」
「ぐ、重鎧の肉盾すら切り裂くのかい?」
コンボイに装着された、マジックロッドから重機関銃のように、風刃魔法が連続で、放たれまくる。
それを操作する男が、部下たちに指示を下す中、ショーンの握るタワーシールドが切り裂かれる。
運転手の女も、コンボイを走らせ続け、周囲をグルグルと回るように移動させる。
肉盾の襟首を掴む、フリンカは激しい攻撃から逃れるために、端へと避難する。
「ん? この声は…………ライルズ、スザンナ、お前らかっ!」
「その声は、ショーンだなっ! 丁度いい、ここで切り刻んでやるっ!」
「アンタ見たいな負け犬は、さっさと死ぬのよっ!!」
ショーンは、多数の銃撃と魔法に晒されながら、倉庫正面から左端で、身を隠していた。
そして、ライルズとスザンナ達は、彼と深い因縁があり、走るコンボイから罵倒してくる。
「下衆どもが…………殺してやるぅ~~~~!!」
ショーンは、二人の姿を目にすると、一気に怒りが込み上げてきた。
そして、腸が煮え繰り返りそうになり、戦場の中で殺し合いをしているため、さらに興奮する。
「ショーン、奴等と知り合いなのかは知らないけれど、今は何とかするしかないよっ!」
「分かってる、だが、どうすりゃーー良いんだよっ!」
「ヤバいにゃ、トラックの裏から身動きが取れないにゃっ!」
「くぅ…………ん? こうなったら、これを使おうっ!!」
フリンカとショーン達は、互いに建物の端から叫びあうだけで、反撃すらまま成らない。
それは、トラック後部に身を隠す、ミーも同じであったが、スバスは入口に向かって何かを投げた。
「リズ、アレを射ってくれっ!」
「アレね…………分かったわ」
スバスが、何個か投げた物は、赤い灯油タンクであり、リズは二階から火炎魔法を連発した。
「うっ! アイツ等は、炎で正面を見えなくしてしまったぞ」
「気にするなっ! 連射しまくれっ!」
リズの火炎魔法で、灯油タンクに火が着くと、入口付近を、真っ赤な炎が覆い尽くす。
これにより、海トカゲ団員たちは、倉庫に侵入出来なくなり、また内部の様子が分からなくなる。
「フラグ投下っ!!」
「炎は、氷で消せばいいっ!」
「撃ちまくれーー!!」
「もっと、撃ちまくってやれっ!」
青い野戦帽を被り、迷彩服を着ている、海トカゲ団員は、手榴弾を投げてきた。
青い尖り帽子を被り、青いローブを着ている海トカゲ団員は、氷結魔法のアイスビームを連発する。
重鎧の海トカゲ団員は、弾切れになるまで、アサルトライフルを乱射しまくる。
青いベレー帽の海トカゲ団員は、雷撃魔法を射ちまくり、黄色い雷光を連発した。
「この野郎っ! 死にやが? うが…………」
「はっ? いつの間にっ! ぐぅっ!」
「何時までも、同じ場所に居るかよっ!!」
散弾銃を撃っていた、青い軽鎧を着ている海トカゲ団員は、首筋を切りつけられた。
青い野戦帽を被り、黒い防弾ベストを着ている海トカゲ団員も、下腹部を刺されてしまう。
倉庫正面から見て、右側のドアを開いて、外に出ていた、ショーンは二人に斬りかかっていた。
こうして、彼は連中が身を隠しながら攻撃していな、ドラム缶の前側に身を隠す。
「奴が、あっちから出てきたぞっ!」
「奴等が、迂回してきやがったっ!」
「うわあっ! がひっ!」
「魔法を展開するっ! ぐわっ!」
青いフリッツ・ヘルメットを被り、軽量防弾ベストを着た、海トカゲ団員は、木箱の裏に隠れる。
茶色いパナマ帽を被り、青い軽鎧を着ている、海トカゲ団員も、ドラム缶の山に逃げ込んだ。
白いターバンを巻いて、青いコートを着ている、海トカゲ団員は、慌てて地面に伏せた。
防弾氷壁を、魔法で作成する、青いフードを被った、海トカゲ団員は身を守ろうとした。
しかし、何処からか分からない、矢が飛んできて、二人とも射ち殺されてしまった。
「敵は左側からも攻撃してきたぞっ!」
「下がるなっ! 殺れ、殺れっ!」
「不味いな、下がらんとならん…………」
「私も、まだ出られないにゃ…………」
青いバンダナを頭に巻いた、海トカゲ団員は、マジックワンドから、紫色のビームを放つ。
黄色い麦わら帽子に、青いコートを着ている海トカゲ団員は、弓を連射してくる。
ワシントンは急いで、攻撃を回避するべく、倉庫正面から見て、左側にあるドアから退避していく。
ミーも、内部で床に伏せて、反撃の機会を伺いつつ、目を光らせていた。
「お前ら、手を抜くなっ!! 確りと、殺せっ!!」
「相手は、ザコ何だから余計な手間をかけるんじゃないよ」
防盾に守られた、マジックロッドから風刃魔法を、ライルズは機銃掃射のように連発する。
スザンナも、車内から部下たちに対して、激を飛ばして、制圧射撃の勢いが止まぬようにした。
「ぐああっ! こりゃ、ヤバいっ!」
風刃魔法は、ショーンが隠れているドラム缶も容赦なく切り裂ていく。
「近づいたら、焼いちゃうわよっ!」
「来るなら、来てみろっ!!」
リズは、炎の中から強力な火炎魔法を、単発で何回か放っている。
一方、スバスも的の注意を引くために、何処からか叫んでいる。
「ん? コイツは…………使えるなっ!」
ショーンは、さっき殺した海トカゲ団員の死体が近くに倒れている事に気がつく。
それを、彼は引き摺り寄せると、黒い防弾ベストを探り、ある物を見つけた。
「よっしゃっ!」
懐から取り出した、ピストルを両手に握ると、ショーンは発砲した。
「うっ! これくらいっ!」
「うがっ!?」
「奴に集中射撃だっ!」
「やべっ! 下手に刺激するんじゃなかった」
近くにあった、木箱の山に隠れている連中に、発射された弾丸は当たった。
だが、灰系のワーウルフ海トカゲ団員は、右肩に命中しただけだ。
ゾンビ族の海トカゲ団員も、防弾ベストに銃弾を止められてしまった。
そして、青いバイクヘルメットの海トカゲ団員が、短杖から火炎魔法を、ショーンに射ってくる。
「くっ! これじゃ…………他に使えそうな物は?」
ショーンは、射撃技術が決して、ド下手な訳ではないのだが。
しかし、ピストルを扱う事に慣れておらず、それ故に、上手く敵に攻撃できなかった。
そのため、彼は地面に伏せながら、再び死体を探って、また便利な武器を見つけた。
また、これを使えば、形勢不利な戦況を逆転できると考えた。
「そら、そら、そらっ! おらぁっ!」
「うわっ!」
「ぎゃあっ!」
次々と、周囲に手榴弾を投げていく、ショーンの攻撃により、周辺の敵は慌て出す。
しかし、数秒後に爆発が連続して起こり、海トカゲ団員が何人も、宙に舞い上がる。
「未だっ! 行くわよっ!」
「突撃だっ!」
「うにゃあ~~~~!」
「静かに殺るぜ」
ショーンの攻撃に合わせて、リズが倉庫正面から左側にあるドアから火炎魔法を連射した。
その援護を受けながら、スバスは走り出し、ショーンから右側にある木箱に飛び込んだ。
ミーも、素早く駆け出しつつ、倉庫正面の右側さらドラム缶へと向かっていく。
狩猟弓から、何回も矢を放つ、ワシントンの連射により、敵は殺られてしまう。
「ぐわっ!」
「ぎゃあっ!」
「コイツを喰らうんだねっ!」
「ぐっ!」
海トカゲ団員は、リズの火炎魔法や、ワシントンが放つ弓矢により、数を減らしていく。
さらに、フリンカが缶詰を思いっきり投擲すると、ワーウルフ海トカゲ団員の顔面に当たった。
それが、炸裂すると同時、彼女はロングソードを真っ直ぐに構えて走り出した。