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月の記憶

 サクラの花びらが音もなくひらひら降る中で、青年が微笑みます。




「これ気に入った?」




 こくこくと、少女が何度もうなずきます。




 青年はそっかと嬉しそうにつぶやいて。




「じゃあキミにあげる。オレの書いた物語が気に入ったのなら、またここへおいで」




 それが青年と少女の出会いでした。





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