しかし人と呼ばれる生物は大変に噂話が好き。特にパチンコと店と呼ばれる娯楽施設さえ潰れて、何もない、過疎化が激しい漁村ばかりの島だから。この島の神々しい女王さまと言っても過言ではない何太后さまが懐妊しているらしいと聞けば。島民や島以外からの内地の寮生の父兄以外……。
そう我が校の多国籍生徒達もヒソヒソと噂話を始めだす。
「えっ! そうなんだ?」
「うん、そぅらしい」
「うちも聞いた」
「私も聞いた、ある」
「アーシも聞いたよ」
「俺も」
「僕も」
「儂も聞いた」
とボソボソと男女問わず告げる者もいれば。
「私は知らない」
「僕も知らない」
「アーシも知らない」
「俺もだ」
「私も知らない、あるよ……。理君は知っている、あるか?」
まあ、何太后さまの腰はよく括れていたから、少しポッコリとお腹がでたぐらいでは気がつかない人達も多々居るから。
まあ、こんな感じで僕に話しを振る者もいるけれど。
「さぁ~、僕は知らないな~」
僕は未成年者だから知らない素振りをするけれど。