だけど僕自身、このまま無言でいる訳にはいかない。
だって賈詡ちゃんは『カの字』だから出席番号順で並んでいる全体朝会だから、前の方で並んでいるし。朝の方も弱いようだから。
「ふわぁ~」、「ふわぁ~」
と欠伸、大欠伸ばかりをしているし。みんなの会話の方も聞こえていないから問題はない。
しかし貂蝉の方は、僕が並んでいる場所から近い位置……。
それにアイツは、みなさんも知っての通りで、三国志きっての悪役令嬢さまの上に、今は仮の姿である人の容姿だからわかりにくいが。本当のアイツは大変に耳のよいエルフさまだから、こちらの会話が気になり、聞く耳を立てつつチラチラを見ては僕体の様子を窺い反応を見ているようだから。
僕は「えっ!」と声を漏らし、プライドの高いアイツの様子を窺う。
すると貂蝉の奴は聞く耳を立てつつチラチラとまだ様子を窺ってくるから。
「少しばかり貂蝉の方がいいかな? あっ、ははは」