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第62話 みんなでプール

【竹取家0時過ぎ】

「もうちょっと顔はこんな風にした方が視聴者(アミーゴ)たちに可愛く見てもらえるんじゃないかな〜……」


初めての2時間越えの配信をした亜沙美は、今回の【SoulBuster】が高評価だった事に気が付いていた


「人気ゲームだからかな?2時間配信したからかなぁ?アナリティクスで見てみると瞬間最大視聴者数は……やっぱり写メを公開した時かぁ…みんな男の子なんだなぁ…」


まだ配信本数が少ないからこそ、最新の配信がどうしても1番再生される事は亜沙美も理解しているのだが、今回のはその中でも特に良かったと思った


それに明日は太一と出掛ける約束までしてしまったので、今夜の配信は新しいゲームを用意するのは難しいだろうと予想し、2日続けて【SoulBuster】を配信しようと決めて、自キャラの調整を続けていた。その時…


「そうだった!…太一と室内プールだった…

Σ(・∀・)エッ!て事は水着着るの?太一の前で?」


若い男女がプールや海に行くのなら、お互い水着姿になるのは至極当然の事ではあるのだが…さきほど顔は変えていたが、公の電波に露出高めの写メを公開した恥ずかしさも、今更同時に込み上げてきた亜沙美




【2時過ぎ】

亜沙美はキャラクリを済ませた後、スグに寝ようとしたのだが…恥ずかしさを抑えられずスグに寝ることは出来なかったので練習プレイをしていたら…逆に目が冴えて寝れない沼にハマっていた


「( ˘•_•˘ )困ったなぁ…寝られないよぉ。明日の8:30に待ち合わせの約束に間に合わせられるかなぁ…」


2時を過ぎても眠気に襲われない亜沙美は、明日の約束の時間に不安を感じていた。その解決策をどうすべきかと悩んでいたのだが…


「そうだ!逆転の発想だっ!!」


何かを思い付いた亜沙美は、太一の携帯にレインメールを送ることにした

「玄関の鍵を郵便受けに入れておきますので起こしてください。自力だと寝坊する自信大ありです!」


約束の時間に間に合うように自力で起きることは無理だろうと考えた亜沙美は、遠慮すること無く太一に起こしに家に入ってきてくれと頼むことにしたのだw




【翌朝7:40頃】

「ガチャ。……ドスドスドスドス…」

おそらく太一が玄関を開けて室内に入って来る音が響いた


「んにゃ〜…( ¯꒳¯ )ᐝ太一かなぁ…」


その足音は亜沙美の部屋の前に来た


「ガチャ!」

「おい、亜沙美!お前な〜起こしてください。って、どういう…こと…だ………」


「(っ﹏-๑)ふぁ〜おあようタイチ〜…起こしに来てくれたんだね。ありがとう…うん、今起きるねぇ…くあぁ…はひゅはふ…」


一般的に言えば、8:30の集合時間なんて全然早い時間ではないのだが…深夜配信をしている配信者は寝る時間が遅くなりガチで、起きる時間も遅くなるものなのだ


「ね、寝巻き…亜沙美の寝巻き姿…だと…」


ラッキーな事に、太一は年頃の女の子である亜沙美の素の寝巻き姿を拝むことが出来た!


「( ̄-  ̄ ) ンー そりゃ〜寝てたんだから…寝巻き姿だよぉ…どしたの太一?」


人付き合いを避け家族すら居ない生活を続けていたからか?配信活動の中で恥ずかしいリアクションを何度も見られたからか?昨夜はコスプレ写メまで披露したからか?亜沙美は太一に寝巻き姿を見られる事に恥ずかしい。という感情は芽生え無かったようだ


「こ、こ、こ…」


「(・-・)…ンッ?ニワトリさんかな?」


「違うわっ!!コーヒーとパンくらい用意してやるから、早く着替えろってんだ!」


そう言うと太一は早々に亜沙美の部屋から退室し、キッチンで軽食の用意をしに行ってくれた




【バス停】

「へぇ〜室内プールって、となり町まで行くんだァ…ふむふむ。おっきい施設の中にあるんだね…太一、良く知ってたね。こんな所…」


太一の用意してくれた軽食を済ませた2人は、となり町に行くバス停に来ていた。太一が目的地の集合施設のパンフレットを持ってきていたので、ソレに目を通していた亜沙美に太一以外から声が掛かった


「そこは私が太一君と何回か行った所なんですの。昨夜、急に太一君からメールが来たのですけど、ちょうど予定が空いてましたので私も参加させていただきますわ♪」


「(゜∀ ゜ )/えっ!?梨香さん?」


亜沙美に挨拶してきたその声は、太一の親戚で今年からクラスメイトであり委員長の【立華梨香】だった




続く

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