【立華家の夕食】
「太一君が梨香をもらってくれたら楽しみが増えるんだがなぁ(笑)」
「梨香ちゃんほど素敵な女性は滅多に居ませんから、太一にはもったいないくらい素敵なお相手よね」
「∑(O_O;)父さん、母さん!何言ってんだよ」
「パパったら!太一君を困らせないで!」
立華家ではお互いの子供がまだ高校1年生だと言うのに…親公認で将来、自分たちが夫婦になるのを期待されながら飛騨牛を楽しんでいた。いっぽう竹取家では…
【お風呂場】
「ふースッキリしたぁ♪( *¯ ¯*)ムフフ。明日は午後から太一とお買い物デートの日だから、身体を洗うの気合い入れちゃったぁ♪…太一、私とのデート楽しんでくれるかな?」
夕食にレンジでチン!の鶏肉入りチャーハンを食べて満足した亜沙美は風呂に入った
明日のデートに備えて丹念に身体を洗って嬉しそうにしていたが、自分が引き籠もり気味でコミニュケーション能力も低いことは自覚している。そんな自分とのデートを喜んでもらえるのか?不安でもあった…
もちろん立華家でのやり取りなど知るハズも無い…ただ明日のデートを楽しみに配信準備を進めていた
【立華家】
「しかし娘はどうも奥手でして…太一君を押し倒すくらいはしても良いかと思うのですけどねぇ(笑)」
「Σ(。・д・ノ)ノ もぉ!パパったら何言ってるのか分かってますの?」
父親からのとんでもない発言に驚きを隠せない梨香と太一。だが太一の両親も…
「そうですね。太一も男のクセにそういう所で根性が無いみたいですからな」
「好き合ってるんだからサッサと手を出しちゃえばよろしいですのにね(笑)」
「おいおいおい!父さんも母さんも何言ってくれちゃってんの!!梨香も困っているだろう?良い加減にしてくれよ」
梨香のパパも大概ぶっ飛んでいるのだが…太一の両親も結ばれる相手が梨香ちゃんならば!とノリノリの様子なので太一は、そんな自分たちの親の態度に恐怖さえ感じていた
梨香もこれ以上この話題をされては堪(たま)らない!と何か別の話題を模索していた
「Σ(゜□゜)そうですわ!太一君の叔父様、最近は好きなプロ野球の観戦は行ってられないのですか?」
梨香は何とか話題を変えようと、太一の父親が大好きなプロ野球の話題を出した!
「うーん…観に行きたいのは山々なんだけどね。なかなかチケットが入手出来ないんだよ。ほら、今は交流戦の時期でもあるしチケットも高騰していてね」
何とか話題を逸らすことに成功した!と思った梨香だったが…ここでまた梨香のパパさんが予想外のアクションを起こしてしまう
「そうなのですか!?確か…ちょうど昨日、私の会社の協力会社に挨拶回りをしていた時に…観戦チケットを頂きましてな。どうですか?」
「オォ(*˙꒫˙* )頂いて宜しいのですか?…今夜はナイター試合でしたから…」
「あなた。今からでも間に合うんじゃないですか?」
「そうだな…一緒に見に行きませんか?今から!」
「私もですか?」
「ええ!野球観戦は楽しいですよ」
「……そうですか…良いですね。良し梨香。父さんたちは今からナイター観戦に行くぞ!22時くらいには戻るから、それまで太一君と留守番してなさい」
「( ゜∀゜):∵ブハッ!!ちょっとパパ!?突然ナニを言い出すんですの!?」
あまりの急展開に、思わず飲んでいたコーヒーを吹き出してしまった梨香
「すまないね梨香ちゃん。少しお父さんを借りていくよ」
「太一。しっかり梨香ちゃんをエスコートするのよ」
「( ゜∀゜):∵グホッ!!母さんまで何言ってんの!?」
「パパっ!本当に今から名古屋ドームまで行くの?急過ぎない?太一君と2人で留守番してろ!って事なの!?」
太一の両親も何とか息子と梨香ちゃんを引っ付けようと、強引な方法に打って出ていた。自分たちが家を留守にすれば、家まで帰る手段がない太一は、車で出掛けた両親たちが戻るまで待つしかない
若い男女がひとつ屋根の下に3時間前後も2人きりで居れば…間違いか?そのキッカケになるような出来事があってもおかしくない!と考えたようだw
「ご、ごめんなさいね太一君。破天荒な父親で貴方にまで迷惑をかけてしまって…」
「(;゜∀゜)イヤイヤイヤイヤ...俺の両親もあんなでさ…本当に参るよな…あはは…」
梨香のパパと太一の両親の3人は「時間が無いから」と言い、慌てて車に乗り込み梨香と太一を残して名古屋ドームへと走っていった
「┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈」
「┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈」
弱めの雨が降る音だけが立華家で音を立てていた。突然2人きりで留守番をさせられる事になった梨香と太一はしばらく無言になってしまった
果たして、取り残された梨香と太一の間で何か間違いは起きてしまうのだろうか?
続く