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第94話

「ん……んん……あ、れ?私……」


「起きたか?」


「……レイン、様?」


「あぁ」


「えっと、私なんで……」


 なんで私、寝て……少し考え始めるとどんどん記憶が戻ってきた……そうだ、私はお兄ちゃんに、レイン様に告白されて……そ、それで……


「あっ、ご、ごめんなさいっ、き、気絶しちゃうなんて……///」


「別にそれはいいさ……とりあえず身体に問題がないならいい」


「ありがとうございます/// あっ、あのっ」


「なんだ?」


「さ、さっきの、こと……わ、私っ……嬉しいですっ、友也お兄ちゃんも好きだったし、それにレイン様としても好きでっ……だ、だからっ、け、結婚、したいですっ!」


 必死に、声をだして彼に伝える……恋人をすっ飛ばして結婚をしたいとはどうなんだろうと思うけど、気持ちが抑えられなかった……


「あぁ、喜んで…」


「あっ/// えへへ♡ レイン様とこれで婚約者になれたんですね///」


「まぁ、そうだな」


「えへへ///」


「あー、とりあえずこれからもよろしく……」


「は、はいっ///」


 これまでの不幸を全部吹き飛ばすほどに私の気持ちは高ぶっている……幸せ、幸せ♡ レイン様と婚約できるなんて♡ 嬉しい、嬉しい、嬉しい♡


「あーこのまま、ここにいるわけにもいかないし、先へ進もうか?」


「え?あっ、そ、そうですねっ!」


 そういえばここはダンジョンでした……しかもトラップがある部屋……さっさと出るべきでした……


「じゃ、じゃあ行きましょうっ!あっ、そういえばカペラにグーちゃんは……?」


「ぷもっ」


「きゅー」


「あっ、よかった……この子たちはトラップにかからなかったんですね」


「多分かからなかったんじゃなくて動物には効果がないんだろうな」


「あーなるほど……」


「とりあえず行こうか」


「は、はいっ!あ、あのっ……」


「なんだ?」


「て、手、手を繋いでも……///」


「別にいいけど、魔物もいるからそんな長くは無理だぞ?」


「そ、それでも、お願い、します///」


「わかった、じゃあ……」


 緊張してレイン様と手を繋ぐ……すごく恥ずかしいけど、めちゃくちゃ嬉しい/// そのまま彼に手を引かれながら先へ進むことになりました///



「ギュィイイイイイイッ」


「うるさい」


 迫ってきたリザードマンとかいう二足歩行のトカゲを一太刀で倒しています……その間、手を離してないし、嬉しい/// ダンジョンデートってやつでしょうか?なんだろうダンジョンデートって……


「大丈夫か?」


「は、はいっ///」


 そのあともレイン様に手を引かれながら先に進みます……手を繋いでても全然余裕です……出てくる魔物を簡単に倒しながら進んでいくのです……途中では抱きかかえてくれたり/// 危険なはずなのにもう顔がにやけて仕方ないです///



「そこそこ進んできましたね?」


「そうだな」


 道中休憩しながら進んでいますが、順調ですっ!


「ダンジョンでもこんなに美味しいものが食べれるなんて♡」


 途中で休憩してゆっくりと食事です、もちろんレイン様が作ってくれました……グーちゃんに乗せた袋から食材を取り出して手早く作ってくれたのです!


「まぁ、手早く作ったが、口に合ったならよかったよ」


「レイン様のご飯はいつだって美味しいです♡」


「それはよかった」


「で、でも……あの///」


「なんだ?」


「私も、その、女の子ですし/// レイン様にご飯作ってあげたくて///」


「そうか、なら、そうだな……呪が解けたら、料理を教えるのもいいかもしれないな」


「い、いいんですか?」


「あぁ、呪が解ければお前はもうただの女の子だ……自分の幸せを求めればいい」


「はい……ありがとうございます///」


「あぁ……」


「そ、そういえば、あのレイン様は……」


「ん?」


「いえ、その、私の事を子供だって思わなかったですか?えっと、前世でも、私はお兄ちゃんとあったのは小さい子供のころ、でしたし……」


「まぁ、昔、前世だったら、そんな感情は持たなかったな、子供に対してとかタダのロリコンだろ?」


「まぁ、そうですね」


「正直、こっちでもどうかとは思ったけどな……」


「そ、そうなんですか?」


「あぁ、ただ、こっちではこのぐらいの年齢差での結婚も普通だしな……それにだ、まぁ、俺としてもこれまでそれなりに長い間一緒にいて、お前のことを気に入ったのも本当だからな」


「そう、ですか////」


 やばい、改めて言われると照れる、ニヤけるのを必死に耐えるのが大変……///


「まぁ、俺としてはアンナが俺を好きになってくれたのも驚いたけどな」


「ふぇ?そ、そうですか?」


「あぁ、まぁ……頼られるのはわかってたけどな、アンナにとっては俺しか頼れないってのもあったからさ」


「なるほど、えっと、依存してるって思われてたんですね……まぁ、私としても否定できないですが……レイン様がいなければ、実際死んじゃってたと思いますし……でもでもっ!レイン様のことは、その、結構会った時から好きで……///」


「そうだったのか?」


「は、はいっ」


「そっか……うん、うれしいよ」


「はぅっ///」


「ど、どうした?」


「い、いえ……なんでもないでしゅっ……」


 やばい、素直に言われるのダメージがすごい、ちょっと鼻血出そうになった……落ち着けー落ち着け私―、ここで鼻血なんて出したら大変なことになるからぁあああぁ!


 そのあとどうにか落ち着いて、頑張ってポーカーフェイス(多分出来てない)をしながら私はレイン様と一緒に休憩をとるのでした……



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