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✾真夏の杜の奥

杜の奥 鳥居の向こう

濡羽色の闇の向こう側に

夜明けを夢見てた

逃げ水のように

追えば追うほど遠ざかる

追えば追うほど霞がかる



鳥居の向こうでしかあなたに会えない

会いたい時にあなたは会えない

それでも胸を焦がす涼やかな熱

待ちぼうけでもいい

それでもあなたがいい




「おれは鏡の向こう側でしか存在できない。おれは、ヒトを捨てたから。だからカミサマの怒りを買った、でも後悔はないよ」



「……想いを口にすることだけはできないんだ。ごめんね」




あなたはヒトじゃない

それでもいい

淡い希望でもいい

不条理なこの現実で

あなただけは信じられた




真夏に出会った



幻想と現実の狭間の境で




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