「うふふ、じゃあBチームのテーマは『関ヶ原』でどうかしら?」
「フッ、是非もない」
関ヶ原だと!?!?
完全に戦国武将に寄せてきてるじゃんッ!!
これはまたわらわら出てきそうだな、武将達が(倒置法)。
「フッ、文字通りこれが天下分け目の戦いだ!
「「「エチュードエチュードエッチュッチュー!」」」
「…………エチュードエチュードエッチュッチュー」
いつもながら超渋々だけどやってくれる微居君……!(萌)
さて、今回も念のためBチームのメンバーをおさらいしておくと、変公、孝一兄ちゃん、篠崎さん、絵井君、微居君という顔ぶれである。
注目はやはり初参戦の孝一兄ちゃんがいかに立ち回るか。
……そして戦国武将はどれだけ出てくるのか(迫真)。
少なくとも東軍の総大将の徳川家康と、西軍の総大将の石田三成はほぼ確定だろうな。
あと他に関ヶ原の合戦に参戦した有名な武将って誰がいたっけ?
「押忍! 相模センパイ! 頑張ってくださいっす! 狙うは大将首っすよ!」
「いやこれ演劇だから。合戦じゃねーから。……まあ、
「押忍ッ! 応援してるっす!」
また孝一兄ちゃんと熊谷さんがイチャイチャしてる(呆れ)。
でもあんま見せつけてると、
「こ、ここがあの関ヶ原かあ」
――!
が、蓋を開けてみたら、何と最初に舞台に立ったのは孝一兄ちゃんその人であった。
おお、マジで頑張ってるじゃん孝一兄ちゃん!
そんな孝一兄ちゃんのことを、熊谷さんは目をハートにしながら見つめている……。
君は本当にわかりやすいね。
でも孝一兄ちゃんはいったい何役なんだろう?
「まさか突然謎の光に包まれたと思ったら、戦国時代にタイムスリップしちゃうとはなあ」
そういう設定!?!?!?
……いや、でもこれは案外悪くない選択かもしれない。
演劇初心者がいきなり戦国武将の役を
現代人の役であれば自然体で演技ができるし、孝一兄ちゃんなりの苦肉の策なのかもしれない。
――と、そんな孝一兄ちゃんの前に微居君が。
「岩はいらんかねー。拾いたてゴツゴツの岩だよー」
「っ!?」
また岩屋さんッッ!?!?!?!?
君はそれしか
狂気的とすら言える岩への執着!!
「どうだいそこのおにいさん。今日のオススメはこの程よい硬さの安山岩。今なら特別に99800円でいいよ」
電動キックボード買えちゃう!!!!
前回より値段上がってんじゃねーかッ!?!?
てかなんで戦国時代なのに通貨が円なんだよッ!!!
――関ヶ原はどこいったんだよッッ!!!!!
「え、えぇ……。いや流石にその値段はちょっと手が出ないですねえ」
「まあまあそう言わずに、よく見てくださいよ――ホラッ!!」
「――!!」
微居君は程よい硬さの安山岩を、フルスイングで勇斗にブン投げたのである。
微ッポリート!!!
ま た 投 げ た!!!!
やっぱさっきの熊谷さんとのイチャイチャを根に持ってたんやッ!!!!
最近の微居君は、完全に我慢ができない子になっているッ!!!
こ、孝一兄ちゃん――!!
「フッ、確かにこれはなかなか質の良い安山岩だ」
「「――!!!」」
が、孝一兄ちゃんのピンチを救ったのは、意外や意外変公であった。
変公はおっぷぁいの谷間から取り出したロボットアームで、安山岩をガッチリキャッチしたのである。
お前もたまには人助けとかするんだなッ!?!?
でもこれでお前の普段の
不良が捨て犬に傘を差してあげて好感度アップみたいな流れは、僕は許さないからなッッ!!!!(変公に厳しい)
「あ、あなたは……」
「フッ、なあに、私は通りすがりのしがないチュパカブラハンターさ」
「……はぁ」
チュパカブラハンター久しぶりッッ!!!!!
確かにUMAを出すのは禁止にしたけど、チュパカブラハンター自体はUMAじゃないもんねッ!!
こいつは一本取られたね!!(膝をピシャリ)
――と、そんな混沌とした空間に、おもむろに絵井君が現れた。
「説明しよう! チュパカブラハンターとは、チュパカブラのハンターである!」
何となくそんな気はしてたよッ!!
微居君が岩屋さんだった時点でねッ!!
――関ヶ原はッッッ!?!?!?!?
未だに戦国武将がただの一人も出てきてないんですけど!?!?
テーマが職員室だと戦国武将出しまくるクセに、関ヶ原だと一人も出さないなんて、何てひねくれた連中の集まりなんだッ!!!(血涙)
「これはこれはみなさんお揃いで」
――と、そこへ、最後の演者である篠崎さんが……!?
頼む……!!
せめて篠崎さんだけでも関ヶ原感(関ヶ原感?)を出してくれ……!!(祈)
「え、えーと、あなたはどちら様で?」
「はい、私は通りすがりの同人作家、ぶるうちいずと申します」
「……えぇ」
終ーーー了ーーーーーー!!!!!!!
結局戦国武将一人も出ないまま終わったよッッ!!!!
ひょっとしてここ、『関ヶ原』って名前の同人イベント会場だったりするのかな!?!?(名推理)
「説明しよう! ぶるうちいずとは、アオカビによって熟成を行うチーズである!」
そっちの説明をするんだ!?!?
「な、なんで同人作家さんが
「はい、それはですね、私が次に出す同人誌のネタにするために、秀吉×信長を取材に来たからです!」
「んんんんんん????」
いやそりゃ孝一兄ちゃんもそんな顔になるよッ!!!!
見事に孝一兄ちゃんも受けたようだね、エチュードの洗礼を!!!(倒置法)
てかそもそも関ヶ原の合戦の時点では秀吉も信長も死んでるよね!?
張り切って取材に来た割には、その辺の下調べはガバガバだねぶるうちいず先生!!
「で、でも、この時点だと秀吉も信長も既に死んじゃってますけど……」
うんうん、言ってやってよ孝一兄ちゃん!
「フッ、そこでこのチュパカブラハンターの出番というわけだな!」
「え?」
いや少なくともお前の出番ではないよ???
誰もチュパカブラの話題なんて出してないからね???
「フッ、何を隠そうチュパカブラハンターになるには、イタコの資格も必須なのだ! 今からここに秀吉と信長の霊を呼び寄せてやろう!」
「ほ、本当ですかチュパカブラハンター!」
適当なこと言ってんじゃねーぞこのエセカブラハンターがッ!!!
架空の職業だからってやりたい放題だなッ!!!!
「フッ、来い来い来来来い、霊よ来い!」
何そのクソダサ掛け声!?
「フッ、来い来い来来来い、霊よ来い!」
――!?
気のせいか……?
今インチキイタコ女が、僕と勇斗のことをチラ見してきたような……?
――ま、まさかッ!!
さっきのAチームで、僕と勇斗が信長と秀吉役だったから、僕達に舞台に立てとでもいうのか……!!?
「フッ、来い来い来来来い、霊よ来い!」
……えぇ。
何でいつもBチームは、敵チームの演者も出そうとするんだよ……。
普通にズルくない、それ?
「――ともくん、お願い、ぶるうちいず先生を助けてあげて」
「……まーちゃん」
またこの流れなの?
「うふふ、やっぱり秀吉×信長といえば、あなた達以外には
……優子。
いや、僕と勇斗はついさっき初めて
「押忍! 浅井君、正拳突きのコツは、インパクトの瞬間までは身体をリラックスさせることっすよ!」
……熊谷さん。
何故今正拳突きのコツを?
「智哉、見せてやろうぜみんなに。俺とお前の”本気”をよわっさほーい」
……勇斗。
もう初期の頃のキャラが薄かったお前はどこにもいないんだな(メタ発言)。
……ハァ、わかったよ、見せてやろうじゃないか、僕と勇斗の”本気”を!(倒置法)
――僕と勇斗は颯爽と舞台に躍り出た。
「お館様! この猿めが、お館様の草履とハートを懐で温めておきました!」
草履とハートを!?!?
「う、うむ、是非もなしでノッブ」
「エクストリームヘヴンフラーーーーーーッッシュ!!!!!!!!」
「説明しよう! エクストリームヘヴンフラッシュとは、……えーと、……アレ、アレのことである!」
わからないなら無理しないでッッ!!!!
「フッ、ハァーイオッケェ!! 今回はまさに関ヶ原並みの激戦だったな。――どうだ有栖、今回の勝負も引き分けというのは」
「うふふ、是非もないわ」
僕は是非もあるけどね!!
――今度こそ、絶対に絶ーーーッ対に二度とエチュードはやらないからなッッ!!!!!!(様式美)