「行きたいっ! 明日の
「明日は金曜日よ。学校」
「別に俺たち
あたしとリカコさんのやりとりにイチも加勢してくれる。
「〈おじいさま〉が表の仕事を見学させてくれるなんて、そうそう無いよね。まっ。越智への嫌がらせが半分以上を締めている気がしなくも無いけど」
ジュニアもこちらを振り返る。
「これはリカコの負けじゃないのか?」
「んんんっっ」
「そんなリカコにちょっと時間をあげる。越智雄介の調書あったよ」
ジュニアがデスクからイスをずらすと、デスクトップが見えるようにしてくれた。
「当時は連日ニュースのネタにもなってたみたい。僕たちはまだ10歳くらいだね。
事は外務省職員宅の非公式なホームパーティ中に、テロリストが乗り込んで来たのが原因だったみたいだよ」
画面の見える位置にそれぞれが移動して、大きな屋敷の写真と、関連の記述に目を向ける。
「公安部参事官が数名の部下と
「それが、越智雄介」
リカコさんが調書に目を通していく。
「と、他数名。外務省の役人も犠牲になったみたい。
でもね。その後、裏では越智雄介殺害説が
当時越智ダヌキは警務部長になったばかりで、東田も警務部長候補の1人だったみたいだよ。
東田公安部長が無理な突入を指示して、
カチカチッとマウスをクリックすると眼光鋭い見覚えのある顔に、リカコさんが嫌な顔をする。
「この男、道路にタバコの吸殻投げ捨てたのよっ……。
参事官なんてエリート街道を棄ててまで、東田に着いていく意味があるのかしら?」
「責任取らされて、降格したみたい。全責任を被っても東田に着いて行く。
どんな裏取引があったのかなぁ。ワクワクしちゃうね」
にまぁっと、ジュニアの悪い顔。
「越智ダヌキは、真相究明したかったのかな?」
あたしの脳裏に、いつも仏頂面で嫌味しか言わない越智の顔が思い浮かぶ。
あたしにはまだわからないけど、子供に先立たれるのって相当辛いって聞くし。
「どうかしらね。胸の内まではわからないけど、同じ事が繰り返されないようにしたいとは、思っているみたいね」
リカコさんも心なしか優しい空気で越智をフォローしてくれる。
「だからこそ、危ない現場に子供は出るなって思うんじゃないの?」
はっっ。
「いやいやいやいや。リカコさんそこはまた別」
ちょっと優しい空気にだって、今日はまんまと
危ない危ない。
まぁ、1人でも行っちゃうけど。
「僕は諦めてみんなで行ったほうがいいと思うよ。ダメって言ったって、カエこっそりと行っちゃいそうだもん」
「はっ! 心読んだ?」
ジュニアの一言に両手で胸を押さえる。
「うーん。カエはすぐ顔に出るからね。多分みんなにバレてるよ」
見回す顔ぶれは、
あれ? なんで