私達はそれからしばらく、いきなり消えたダイヤさんやクローバーさんを、探すために森を探索しつつ、『ヒューマ』の村ですごした。
最初はリードさん、リズさん、タンクさん、そして私が探索をしていたのだが、3日ほど経つとガギンさんとキズーさんも探索をすると言ってきた。
私達はもちろん止めたが、ガキンさんとキズーさんに、「あの2人を倒せたのは誰のおかげ?」と言われてしまい、仕方なく2手に別れて森を探索することになった。
「しかし、今日で1週間。全く見かけねぇなぁ。」
ガキンさんがそう言う。
「ほんとだねぇ。死体すら見つからないと怖いよ。」
キズーさんがそう返した。
私とガキンさん、そしてキズーさんは一緒のチームになって、森を探索しているところだ。
「今日は、もう帰る?日も落ちてきたし。」
キズーさんがそう言った。
夕方になり、森は真っ赤に染っていた。
夜は怖い魔物が多いし、スライムの私には関係ないが、人間は暗いと周りが見えないらしい。
「そうですね。もう帰りましょう。」
「ま、しょうがねぇな。」
私とガキンさんは、キズーさんの言葉に同意し、村の方へと向かおうと向きを変えた。
その瞬間、背後からマナの異常な動きを感じた。
「2人共、危険です!!」
私がそう叫び、土のマナを貯め始める。
私は、間に合うか?と不安になりつつも、急いでマナを集める。
「『監獄の
その言葉と共に、黄色い網のようなものが、私達に向かって飛んでくる。
このままじゃ、間に合わない!!
私達は、その網のようなものに捕まる。
それは、電気を帯びているのか、ビリビリと体をしびれさせる。
「フハハハハ!見たか!我の暗黒の力を!!」
「五月蝿いですねぇ、貴方は。まぁ、計算より弱くなくて安心しましたよ。」
森の奥から、黒髪を伸ばした、隻眼のエルフと、紳士風の服を着て、シルクハットを付けた二足歩行の猫が現れた。
「なんだよ、お前達は!」
ガキンさんが、そう叫ぶ。
それに、エルフが答える。
「我は、闇に生まれ闇に育ち、暗黒の力を持つ…。」
しかし、エルフが話している途中で、猫が答える。
「私達は、人間族を嫌う魔物です。スペードさんのお願いで、金髪と黒髪の人間族と、彼らに協力するスライム族を捕獲するよう言われています。」
「何故我の話を遮る。」
「貴方の話は、ややこしいんですよ。
まぁ、そんな話は置いといて、早くこの人間族達を連れていきましょう。」
猫の言葉に、ガキンさんが睨む。
「俺達をどこへ連れて行く気だ!」
猫とエルフは彼の質問に答える。
「私(我)達。人間嫌いの生き物が住む街。『クラウンタウン』だ。」