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030  三つ巴の弾幕バトル!!





 いけっ!!


 私の前には白色の魔法陣が浮かび上がる。



[・魔弾発射50発=方角=前方ランダム、大きさ=魔力分¼、10メートル後〔止める〕

・魔弾発射10発=方角=前方ランダム、〔伸びる〕、魔弾本体を〔回す〕]




 そこから溢れ出る弾幕は2種類。

 ひとつは通常よりも少し大きい普通の丸い魔弾。これは10メートルでその場に止まる目隠めかくし用の魔弾。

 そしてもうひとつ、ほぼ同時に今度は伸びながら回る。妨害&攻撃用の魔弾だ。形は羽が2枚のプロペラみたいな感じかな。

 それは2人目掛けて飛んでいく。


「「!」」


 2人はすぐに行動に移した。ハルト?と呼ばれていた人は大きな大剣を持ち、金髪と青い瞳で少しやんちゃそうな表情。そのまま大剣を横なぎにはらい、私の弾幕を消していく。?え?そんなことできるの?


 アリア?と言われていた彼女は水色のロングヘアーに少し露出ろしゅつ多めの装備を身につけ、その上から半透明なロングカーディガンを羽織っている。彼女は即座に上昇。弾幕の攻撃範囲から即座そくざに脱出していた。でもそれは…


おとりだよ?」


「しまっ!!」


 私が狙いを定めたのは下にいるハルトという男性の方。なぜなら、上に逃げた彼女からは私の動きが見えている可能性が高いから。

 でもハルトというプレイヤーには〔止める〕魔弾に視界がさえぎられて私の姿が見えない。魔法陣が弾幕を放出し始めてすぐその弾幕に隠れてちょうどカタカナのコの字のように〔ジャンプ〕を使って移動。ハルト氏から見てすぐ左に、気づいた時には既に遅し、私が次の魔弾を準備万端で放とうとしているのを目撃することとなったのだった。


「喰らえ」〔爆発〕


ドーーーン!!


「ケホケホッ…。なかなかいいダメージを貰っちまった…」


「隙ありですわッ!!」


 そこにアリアが上から弾幕を放つ。


「上を取られたことを後悔しなさい!!【豪雨「レインボーアステロイド」】」


 上には私が使うよりも大きい魔法陣が広がりクルクル複雑に回っている。そこから様々な属性の弾幕がデタラメに落下してきていた。

 このままではハルトも私も巻き込まれてしまう!?


「そう簡単にやられるものか!!【気力まとい】」


 そう宣言して見せた途端とたん黄色いオーラのようなものをまとうハルト。


 それに対して私は…


 全部…、かわせばいい。見て、んで、何となく何が起こるかして。それを避ければいい。


 と、なんともむちゃくちゃな回答である。



 色が属性を示しているのは何となくわかる。ほむら色が火系統の属性。水色が水系統、緑が風?茶色は土や岩。その他色々あ、赤はやばい。爆発だわ。いかにも爆発しますよって点滅てんめつしてるもん。


 まずは、上から水弾。回避は容易い。避けた先にはすぐに追加の火弾が来るから、その後すぐにバックステップで回避。その後右後方の爆弾に注意しつつ。降ってくる土弾を〔ジャンプ〕で左前方に回避。

 続けて水弾。水弾。風弾かな?を同じく空中で〔ジャンプ〕を使って回避。そのまま自由落下しつつ体をひねって火弾を回避。


 あ、ちょっとだけ熱ダメージをらった。


 ひねり切った体をそのままに前方に〔ジャンプ〕直後前転のように足を進行方向に向け上方向に〔ジャンプ〕。即座に魔弾を上に発射火弾にぶつけ消滅しょうめつさせ、そこをくぐり抜ける。あ、また熱ダメージ食らった。でもこれで。


「射程圏内だよね!!いけっ!!」


魔法陣1


[・魔弾発射100発=方角=前方ランダム、〔火炎〕属性、〔躱す〕、任意の距離で〔直角〕方角=中心方向→1メートルで〔回す〕方角=中心方向

 ・魔弾発射10発=方角=前方、大きさ=MP消費分½〔火炎〕属性]


 目標はアリアとかいう人!魔法陣を構築こうちくしていきそこから放たれる火炎弾は前方に広がっていく。






*>>三人称視点






 アリアは自分の目がおかしくなったのかと錯覚さっかくした。色とりどりの属性が降ってくる弾幕の中で1歩も動かず、何かオーラのようなものをまとったハルト。次々に降ってくる弾幕を素手であるいいはその大剣で弾き飛ばし散らしていく。水弾も火弾も爆弾でさえも彼に弾き飛ばされ、彼に有効打を与えるにいたらない。


 そっちはまだいい…。ある程度予想ができていたことだ。問題はこちらである。アリアから見ても可愛らしいその少女はあろう事か、この弾幕の雨の中全てを躱し、なおかつ近づいてきているのだ。


(なにあの動きッ!!全部躱してるし!変なタイミングで!しかも空中で急激な進路変更なんて聞いたことないですわよ!?一体どんなスキルを使っていますの!?)


 彼女は動揺どうようしていた。そのせいでナユカの射程圏内まで距離を詰められていたことに気づくのが遅れる。


「射程圏内だよね!!いけっ!!」


(あ!しまったッ!?もうこんな所に!!)


 そしてナユカは放つ。


 それは魔法陣。


(魔法陣!!私と同じ…。でも単陣ですわね。まだ使いたてほやほやなのかしら?それにそこまで複雑でもない…。余裕で躱せますわね)


 アリアの目の前には火炎弾が広がっている。それを軽々と躱すアリア。


(魔法陣を読んだ感じ曲がってくるのかしら?…でも通り過ぎていったわね…。初めから曲がる距離を指定していたとか?あ、ビンゴですわ。はるか上で真横に曲がったわ、ならもう用はないですわ。彼女本体に攻撃を!)


 一部のプレイヤーは魔法陣の欠点とも言える仕様を知っている。それは魔法陣にはその魔法陣に設定したことがわかるように描かれることだった。アリアが読み取ったのは「火炎弾100発前後の弾幕と10発の火炎弾大玉。途中軌道変化」といった感じである。なので誤解していた。その弾幕にまさか二回軌道変化系のスキルが使われているということに。


 視線をナユカに向けているアリアは突如とつじよ後ろからの衝撃に撃ち落とされる。


「きゃあ!!?」


(なっさっきの弾幕がいつの間にか後ろに!!)


 アリアは決して軽くないダメージをくらったのだ。訳の分からない少女に。





ステータス


ーーーー



名前 ナユカ


所持金 1000G



HP 0├──────────╂┤


MP 0├╂──────────┤


スキル


パッシブ


魅力 魔力 体力強化



アクティブ


火 回す 植物鑑定 躱す 火炎 叩く ジャンプ 赤 魔法陣 足 光 地図 伸ばす 直角 緑 止める 連動 青 爆発 集合 歌唱 鍛治 減速 星



ーーーー


魔法陣1

魔法陣2


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