目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

031  バトル中止と緊急クエスト


*>>ナユカ視点



「ッ!!」


 アリアは落下しつつもあの訳の分からない少女のことを考えていた。といっても一瞬で地面に突っ込むのだが…


ドガッ!!


 (うっ!落下ダメージまで食らっていまいましたわ。それよりもなんなんですのあの少女?〔魔法陣〕や、その他のスキルは初心者みたいな使い方の癖にやってることがむちゃくちゃですわよ!!なにあの変態軌道の回避はッ!!)


「俺のこと忘れてないかw?」


「あんたの事なんか既に頭になくてよ!」


 下には当然ハルトが待ち構えている。アリアが落ちてくると、即座に落下地点目掛けて攻撃(物理)を打ち込みに行くハルトだが、言葉とは裏腹にしっかりハルトの攻撃にも対応してきていた。


「よし!じゃあ私は先にスキルを貰っておこう!」


 ナユカは下で戦闘が始まると呑気のんきにそのめずらしい黒色のオーブの方へ進路をとる。


((させるか!!))


 それに下の2人も気づかないはずがなく、戦闘しながらもオーブの方へ走り出していた。





*>>???視点




『システムからマザーへ通達』



『許可します』



『規定条件達成の報告有り』



『内容はなんです?』




『緊急クエスト:黒の試練 です』





『本当ですか?達成内容を言いなさい』



『・黒のオーブの出現

 ・規定範囲にプレイヤー数が4名(予定)

 ・規定時間以上のオーブ未取得

 ・プレイヤー全員が規定ステータス以内

 ・プレイヤー内に革命者が存在

 ・プレイヤー全員が黒のオーブ未取得

です』



『間違いはありませんね?』



『はい』



『イベント開始を許可します』





*>>ナユカ視点





 「うーん、2人とも追いかけて来てるなぁ…。見逃してくれればいいのに」


 現在、私は黒いオーブの方へんでいる。それに気づいてか、下にいるふたりも先越さきこされまいとたがいを互いが牽制けんせいし合いながらこちらへ飛んできていた。未だ誰がオーブを取るかわからない状況。



 そんな時にそれは起ったのだった。



《緊急クエスト:黒の試練 を開始致します》




「はい?」


 いきなり私のの耳に聞こえるアナウンス。なにがなんだかわからない中、それでもアナウンスは続く。


《クエスト参加者は、「ナユカ」「アリア」「ハルト」「ビュア」です。フィールドに固定シールドを固定。観戦モードに入ります。ログアウト制限がかかりました。緊急時以外のログアウトが出来ません。ワールドアナウンスを開始します》


 え?なになになに!?何が起こってるのかさっぱりだよ!!ログアウトできなくなっちゃってるッ!!?


〖緊急クエスト:黒の試練 が開始されました。ログイン中のプレイヤーの皆様は観戦機能が発動でき、イベントの観覧かんらんが可能です。これより一定期間 遭遇そうぐう戦以外のバトルを中止します〗


 え?これワールドアナウンス!?なになに私何もしてないのになんかイベント参加してるんですけどー!?え?どうしよう…


 途方とほうにくれる私なのだった。






*>>三人称視点




〘緊急クエスト:黒の試練 が開始されました。ログイン中のプレイヤーの皆様は観戦機能が発動できイベントの観覧が可能です。これより一定期間遭遇戦以外のバトルを中止します〙




 ゲーム内チャット『コメント広場』にて



なんかいきなりワールドアナウンス!!


・ネーム表記無し

・入場制限無し



1. とりあえず部屋建てたぜ




2. え?なになに!?いきなりイベント告知来たんだけど!!




3. なんなんだこれ?




4. 誰が知ってる?




5. >>4 知らない




6. 知らない




7. 上に同じ




8. なんかイベント観戦できるみたい…




9. 行くしかないよなー!!




10. え?




11. 今INした…でなにこれ?




12. >>11 誰かがイベント起こしたらしい




13. >>11 緊急クエストだとよ〜




14. >>13 なにそれ楽しそう




15. ただし見るだけ




16. >>15 なん…だと!!




17. >>15 拷問ごうもんかな?




18. とりま俺観戦しよっと




19. >>18 いってら〜




20. >>18 いってら〜




21. 私はリアルの方にも拡散してこよっと




22. >>21 あ、その必要ないですよ




23. >>22 です




24. >>21 んだ




25. >>22 あれ?そうなの誰か先に拡散してくれたのかな?




26. >>25 いや、じつはな…





*>>三人称視点



(さて、今日の予定は全部終わったし〜?もう寝ようかな〜)


 密会から帰ってきたユキはナユカよりも先にゲームをやめ、お風呂や夕食、その他を済ませて宣言どおりベッドへ。



ピカーーー


 その時唐突につけっぱなしだったRBGのログインに必要な腕輪。それが唐突に光り始める。


(え?なになに!?腕輪が光ってる!!…腕輪が光ったのって確か革命が起きた時だったけ〜?私今までそのタイミングでずっとインしてたから初めて見たな〜)


 ゆきは光っている腕輪をそっとつつく。するとユキの目の前に現れるホログラムパネル。そこにはこう書かれていた。


「緊急クエスト?観覧可能…。なにこれ〜?革命じゃあない?」


 ゆきは少しの間考える。そのまましばらくしてトコトコと歩いていく。そしてベッドに寝っ転がる。しかし、眠るためではなく。



「さて〜?何がおきているのか〜。夜はこれからよ〜♪」



 RBGをするために。





 そうしてユキは眠りにつくのであった。




*>>ナユカ視点






 で、?どうしようこれ?


《パーティーを作成します》


ーーーー


パーティー


ナユカ

アリア

ハルト

ビュア


ーーーー


 おぉう…。なんか勝手にどんどん進んでいく。


「とりあえず自己紹介でもするか?」


 ナユカの周りには、気づけばアリアとハルトが来ていた。アリアはその露出過多な装備を、ハルトはなんかかっこよさげな防具を身につけている。

 今はお互い敵対心てきたいしんなんてない。そもそも緊急クエストがおきてからオーブが消えた…。いや、そのオーブが視認できないほど黒い霧におおわれたからだ。十中八九、今回のクエストの原因であると思われる。


「そうですわね…。パーティーを組まされたということは、これは協力してどうにかしないといけないようですわ…」


 アリアの言葉にナユカは心の中で同意する。


「あぁ、そうだ…。だから出てこいよビュアさん?とやら」












「あまり…。人前には出たくなかったのですが…。致し方ないですか」






 ハルトがそう呼びかけてしばらくして、何も無いところからまるで空間ににじみ出るように現れた彼女は。



 コスプレ?新聞記者のような格好で突然現れた。


 え?そんなスキルもあるの!?





ーーーー


パーティー


HPバー


ナユカ

 ├───────╂───┤


アリア

 ├───╂───────┤


ハルト

 ├──────╂────┤


ビュア

 ├───────────┨





この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?