*>>ハルト視点
パパパパパパッ!!
俺はどんどん黒龍に魔弾を打ち付ける。それはまるでマシンガンのごとく黒龍を連続して撃ち抜くが。それでもHPバーの減りはゆっくりで、攻撃されているはずの黒龍もそれほどダメージを受けている素振りも何も無い。少しは減ったがそれでも先が見えない。
対してこちらは一撃でも致命傷になり得る極大の攻撃をよけねばならず、前衛を務める俺とナユカの疲労は
「おい!アリア!!あとどれくらいかかるっ!?」
「今チャージし終わったわ!!これから詠唱と魔法陣への
あと、3分もあるのかよ…
「わかった…。3分だな?おい!ナユカさん!!聞いたか!?」
「はーい!おっと!…あと3分だね!それまで耐えればいいんだよね!?ッ!!?了解ですっ!!わっ、またブレス!?」
俺はナユカというプレイヤーに呼びかけながらそちらを見ると、黒龍の猛攻をまるでピンボールのごとくあちらこちらへ飛んで
なんなんだろうな?あの変な動きは。攻撃は全然、弾幕の張り方には無駄が多いし、スキルもあまり持っていないのか弾幕も直線が多い。そして、今まで技を1度も発動していない。なのに黒龍の攻撃を超近距離で全て躱している。そんなプレイを俺よりも
ナユカに向かう攻撃はその距離故か、足、腕、しっぽに噛みつきやら、タックルのように胴体をぶつけるような攻撃まで繰り出している。なのにその全てをナユカは躱していく。自分の目を初めは
でも、慣れてきてからそれを見て俺は思っちまった。本来、そこにいるのは自分のはずで、あまつさえ俺はその子よりも後ろで…。つまり守られてしまっている。
「情けない…。いや、違うな…。
まだゲームが始まってすぐの頃の近接戦主体だったこのゲームで、剣が持ちたくて。必死に探してやっと手に入れたスキル。〔鍛治〕。それから剣を使って初めて戦闘して、嬉しかったし楽しかったあのころ。
それからアリアのやつが魔法なんてものを見つけてゲームが変わって、遠距離主体のゲームになっちまって俺は悔しかった。それはなぜか。
近接武器は魔法という遠距離攻撃にめっぽう弱かったからだ。
剣で魔法には勝てない。そう他のプレイヤーが思うのも時間の問題で、すぐに近接武器の時代は終わりを迎えた。悔しかった。自分が必死に探して。様々の
そして今、俺は、その近接戦闘であの子に守られている!!あの嵐のような攻撃が、その流れ弾がこちらへ来ないように立ち回り、自分が
「やっぱ、悔しい」
自分の諦めの心に。
自分の弱さに。
自分の前に人がいることに。
自分の…。勇気の無さに。
そう、ナユカを見ていて思い知らされた。彼女は近接戦闘をしている。でも、近接武器は持っていない。でも、それでも彼女は前に出る。自分が攻撃できなくとも前に出て後ろを守る。
じゃあ、武器を持ってる俺は何をしてるんだろうな?
「俺も、まだ…、あきらめなんてしてたまるかよ!!」
だから…RBG初の革命「生産革命」を起こした。革命者として剣を抜く。近接は俺の武器だ!
ステータス
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名前 ハルト
所持金 15,760,040G
HP 0├───────╂───┤
MP 0├─────╂─────┤
SP 0 ├────────╂──┤
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「さっき使ったから少し減ってるな…」
「黒龍の解析終わりました〔共有〕〔表示〕します」
ビュアの一言のあと自分の視界の上には黒龍のステータスが表示される。
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名前 黒龍
HP 0├──────────╂┤
499,989,020/500,000,000
MP 0├─────────╂─┤
98,032/100,000
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称号
試練の龍「黒」
スキル
解析失敗
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「わっ!なにこれ便利いい…」
ナユカははしゃぎ始めたが今はどうでもいい。問題は…
「体力多すぎじゃね?」
「否定はしません」
ビュアの返しに俺はため息で返す。
「ナユカさん!交代です。俺が前に出ます」
そう呼びかけるとナユカはこちらをちらっと横目で見て…。そしてにっこり笑う。なんか、今改めてみたら天使みたいだ。…て、違う違う!
「〔装備〕剣鬼「一」」
「了解!」
そう返してくれたあとナユカは次の黒龍の攻撃のあとに上に飛ぶ。
「【気力纏い】」
それを見ながら黒龍は上に飛んだナユカ目掛けてブレスを放とうとする。
「俺も、いるんだぜ?【
俺も前に出る、見せてやるよ。近接武器の本気の攻撃を!!