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048.1  ユキとの優雅なデートタイム(私欲)

*>>ユキ視点




 時間はほんの少しだけさかのぼ


 プレイヤーとの乱闘(一方的な虐殺)から少し時間が経ち。そのままデートを楽しんでいた今日この頃。ナユカはオーブサーチにいそしんでいました。


 今日も可愛い。


 そんなゆったりした優雅ゆうがな一時、がしかし。それは唐突に終わりを告げます。


「ん?なにこれ」


 ん?プレイヤーがまた襲ってきた?


「ん〜?どうかした〜?」


「えーと、メール?が届いたみたい」


 おや?ナユカにメール?ラブレター的な?流石にナユカの保護者たる私がそれは許さないよ?


 しばらくナユカはパネルを。と言っても私は見えないけど。たぶん展開しているであろうフォログラムパネルを操作し、内容を読み取っていた。


「昨日一緒に黒龍倒した人から今日時間あるか?って言うメールだったよ」


 昨日の人か〜


「ほうほう、ちなみにお名前は〜?」


「ビュアさんって人だよ。記者みたいな格好してる人」


 ふむ、確かになんかよくわからない格好してる女の人。私より年上かな?女の人ならラブレター説は心配しなくていいね!

 ただナユカ1人での呼び出しかぁ〜。う〜ん。


「あぁ、それなら何となくわかったよ〜。ねぇねぇ〜。私もついて行っていいか聞いてみてよ〜」


「ん?ユキも来るの?」



「ダメ〜?」


「向こうに聞いてみるよ」


 ナユカが一歩。進んでくれてる気がする。それを邪魔するのは良くない。…とは思う。昨日の様子からたぶん大丈夫だと思うけど。私は過保護だから。


 その人が、信用にあたいするか見極める。ナユカにこれ以上…



「よし!!」


「送れた〜?」



「うん!あとは確認待ちかな?もし向こうが無理ならこっち優先って言ってるから心配しなくていいよ」


 何気ない優しさが心に染みるよ〜ぉ。ナユカは私が育てました!!あと勇人さんと花恋さんも。


「ナユカありがと〜」


 「ありがとう」と言うと、はにかんで笑ってくれるナユカは天使。この子が笑っていられるなら。私は「私」でいることに価値があると思う。


 これからも、いつか嫌われることがあったとしても。君の隣で君を支えていきたい。少なくとも相手ができるまでね。


「あ!もう帰ってきた。どれどれ?」


 またもやパネルを操作しだすナユカ。とりあえず私も周りを警戒しておく。奇襲きしゅうされたら嫌だし。


「あ、ユキ。一緒に来てもいいって!」


「お〜、それは良かった〜」


 それは一安心したよ。許可取れなかったらどうしようか。ナビィに頼もうかと思ってたから、ついていけることにしたことはない。


「それで、時間と集合場所どこがいい?って聞かれたんだけど昼からユキ何時にログインするの?」



 あー。そっか〜。昼ごはん食べないとね。




「私は昼ごはん食べたらすぐにインするよ〜。ナユカの好きな時間でいいよ〜」


「んー…、じゃあ12時に1回ログアウトして、それからうちで一緒にお昼ご飯食べちゃおうか?んで、1時くらいに間に合うようにすればいいと思う」



「あ!昼ごはん貰っていいの!?」


「いいよー」


 まじで!ラッキー!じゃあこのままランチデートだよ!ナビィいるけど!!



「場所はどうする?」


 待合場所か〜。出来ればセーフティエリアがいいんだけどなぁ〜。



「ん〜、そのビュアさんってここら辺にいるのかな〜?」


「たぶん?私と初めて…。いや一方的にだけど会ったのはここら辺だよ?」


 ふむ。なんかよくわからないけど。とりあえずはここら辺のプレイヤーなんだね。なら闘技場がセーフティエリアだしちょうどいいかな。



「なら、中央闘技場南側ゲートでって送っといて〜」


「はーい」


 うんうん。やっぱりこのゲームに誘ってよかった。初日からはびっくりしたけど。それだけナユカの心がオープンになってる証拠だと思えば嬉しくなる。


「よし!」


 今も楽しそうに笑顔だから。


「早っ!」


 速攻で驚愕きょうがくの顔に変わるところもご愛嬌あいきょうね?


「それでいいって」


「なら決まりね〜!じゃあ12時までまたオーブ集めしようか〜!」



「うん!」



 ビュアだっけ。どんな人か。私が直々に見定める。できることならあの子の手のひらを広げてあげて。









True subtitle 048.1  ユキは静かにその笑顔を眺めて

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