*>>ナユカ視点
私たちは今、ユキへの質問タイムに移ろうとしていた。しかしアリアさんが言うには、今はとてもまずい状況だという。
今ここには、私、ユキ、ビュアさん、ハルトさん、そして噂を聞きつけてきたアリアさんが闘技場のプライベートなバトルルームに参加している。そしてそれをビュアさんが生配信し、ついに視聴者は19万人に到達していた。ビュアさんからしたら快挙である。
アリアさんが言うには、ゲーム内外問わず。いまこの生配信がとてつもない噂となっているらしい。
全然そんな雰囲気なかったのに…、いつの間にか視聴者がいろんな所にふれまわり、今もなお視聴者は増えていく一方だ。それはこの動画のサムネイルも原因ではあるが、一部ではさっきのバトルで使われた2つの技が原因だともアリアさんが言っていた。
【煌星流姫「ペンタゴンスター」】
【剣ノ名ヲ持チ表ス・剣鬼「一」】
このふたつである。
「なにがそんなに話題になっているのか、それはナユカさんのMPに関してと、ハルトさんのHPに関してですわ」
「あちゃ〜、まあ、気にはなるよね〜」
「その反応ですと、ユキさんは知っていますわね?」
ユキの反応にアリアさんは少し確認するような、念押しするような問いかけを投げる。
「知っている…。と言うには予測の範囲を出ないね〜。たぶん、あなた込みでこれからのことが関わってくるよ〜」
意味深なことをくちばしるユキ。しかし、ユキは今この場で答えを言おうとはしない。それがみんなに不利益になるってことかな?
「確かに…。今、ここでそれを広める訳にはいけないかもしれません」
それに乗じたのはビュアさんだ。
「あら?以外だね〜…。普通投稿者はこういうネタは好きそうだと思ってたのに〜」
「確かに動画のネタとしては特大でしょうね。でもそれはたぶん…。私にも関係ありますよね?」
ビュアはユキを真っ直ぐ見つめユキの反応を
「ここにいる5人はむしろ当事者ね〜」
確かに、現状この状態に人が集まってきているのは事実みたい。ビュアさんの心情としては、視聴者の意見は優先して少しでも知名度をあげることを意識してもおかしくはない。
『なんの話?』
『スキルについての話…。かな?』
『確かにこっちからしたら知りたいよな』
ユキは一瞬私を見たあと、困ったなぁ〜とでも言いたげに苦笑いした。え?私のせい!?
その後少し真面目な表情でユキはみんなに向き直り自身の意見を言い始める。
「ここまでこの生配信が注目度を集めてしまった以上。少しはサービスしてあげないといけない。じゃないと何かと文句を言ってくるやからは、一定数存在するからね〜」
「はい。現状この状況は予測していませんでした…。すいません」
「ここで配信を辞めると、さすがに視聴者のヘイトが全員に降りかかりそうだもんな…」
はじめてハルトさんが口を開く。ハルトさんもこの状況はまずいと感じているらしく少しバツの悪そうな表情だ。
私はよくわかってない。
「だから私からの提案があるよ〜」
ユキはそう切り出し、再度この場にいる4人と今も尚増え続ける視聴者のの注目を集めた。
「今回この状況になったスキルについて、その情報は公開しない」
「…」
「でもそれ以上に面白い展開になったら?そしてそのスキルについて関係がある話題を作ろうと思う」
『ん?』
『えー?公開しないの!?』
『ちぇっー』
『なんだ白雪姫、おもんな』
『今回の噂で
『なんだと!?』
『うるさい落ち着け』
『公開しろー』
「だから…」
ユキがこの場にいる全員を見つめ。
「今回の闘技大会。そのパーティー部門にこの5人で出たい。そういう提案を今この場でするよ」
『は?』
『そんなことで納得するとでも ?』
『は?』
『いや待て!!これ』
『はっ!!』
『あの白雪姫がパーティー…?』
『白雪姫が…!!?』
『孤高の白雪姫が自らパーティー勧誘!?』
『は?何それそんなにすごいこと?』
『新参は黙ってろ』
『え!?やばくない?』
『ここで優勝候補パーティーができる可能性があるってこと?』
『え?』
『新参のワイに説明をくれ』
『武器に関して右に出るものはおらず、実力も優勝候補になってもおかしくない「ハルト」。
あまりにもの高威力で地形ごと変える天災「アリア」。
隠密暗殺特化、配信者にして管理能力が高い「ビュア」。
新人にして脅威の反射神経と発想力が
そして最優勝候補、白雪姫の「ユキ」それが手を組むかもしれない』
『…』
『…』
『…え?』
『これは…』
『軽くニュースになってもおかしくない…』
『はー!?』
なんかそんな大それた言われ方すると恥ずかしいなぁ…
ユキの投下した発言はさらにコメントを加速させる。
「さあ〜…、みんなどうする?ちなみに組むからには優勝を本気で狙うよ〜?」
この5人で…。か…
うん。なんだか楽しそう!!
「私はユキとデュオでも出るから。同じようなものだよね?パーティーも出ていいよ!」
「あ…、ナユカ…」
「ん?」
あ、もしかして…
『速報!!ユキ&ナユカがデュオ組むって!!』
『ながせーー!!』
『あれ?今回の闘技大会もユキが全部覇王になる?』
『てっきり白雪姫はソロだけだと思ってたのに…』
『今回こそはと
『oh......』
『いやー…。今日は上から爆弾がよく降ってくるな〜…』
「ナユカ…。それも未公開だったのに〜」
「え!?そうなの?…ごめん」
「まあ、いいか〜」
少し呆れも含みながら笑っているユキ。そして再度問いかける。
「さて、御三方。私たちと一緒に来ない?パーティー部門優勝するわよ?」
3人は静かに
「い、いいんですの!?ぜひ!!」
いや、そんなことはなく、アリアに至っては大声と身振りでアピール。
「お、おー…。よろしく」
「なんか
2人は未だ実感がなさそうな間の抜けた返事で何とかユキに言葉を
「いいよ〜。さて、視聴者の皆さ〜ん。スキルについては闘技大会でわかるでしょ〜。だからできるだけたくさんの人に言ってね〜。私たち5人は手を組むよ〜って」
こうして生配信は終わり、後にこれがとてつもない人数を巻き込む大イベントへとなるのである。