「よし!次が本題ね〜」
「え?まだあるの?」
てっきりもう終わったと思ったのに…。あ、それよりもだよ!!
「というかユキ、なにか頼まないとマスターに失礼だよ?」
せっかくカフェ…なのかちょっと分からないけどもお店にきたならなにか頼まないと。何も頼まないのはマスターさんに悪い。
「うむうむ〜。確かに、マスター」
「あいよ」
ユキが呼ぶと即座に扉を開けるマスター。もうスタンバイしてたのかってぐらい素早い登場に少し驚く。
「私は〜…。バニラアイスでいいかな〜」
「私はパンケーキ!!」
「では私はこのアップルパイを」
「んー、じゃあ俺は…。バニラアイスのエスプレッソがけってやつを」
「え、あ、じゃあショートケーキですわ!」
見事にみんなバラバラだね!マスター作るの大変そうだよ?
「みんな飲み物は〜?私はコーヒーね〜」
「私も同じのを」
「俺はいらないぜ」
「私!カフェラテ!!」
「えーと、紅茶あります?」
「全員決まりね〜。マスターお願い」
「あいよ…」
うん。もうマスター何も言わずに、何かを
「それでその本題の話しね〜」
「あぁ」
「私たちは5人とも秘密を待っている。それは間違いないよね〜…?」
「だろうな。全員既存のスキルでは再現不可能。そんなスキルがあるはずだ。みんなもそれは察しているだろ?」
「え?何それ?」
うん。今初めて聞いたよ?
「…まぁ、初心者だから知らなくて仕方がない…。のか?」
「いや〜、ナユカがトンチンカンなだけだから気にしないで〜」
「おっと、思いもよらないところからボディーブローが飛んできたぞー!」
ユキ酷くない?確かに初心者だから、いろいろ知らないことも多いけど!私トンチンカンじゃあないよ?
「そうか」
こらそこ!納得したらダメだから否定してよ!
「まぁ、この際協力関係になったわけだ…。俺から話そうか?」
「いや〜、ここは私から言うよ〜、発案者だからね〜」
「そうか」
ひとまずなんのことだか分からないから大人しく話を聞いておこうと思う。
「まず、大前提として〔魔力〕の説明からしないとね〜。特にナユカのために」
あ、良かったー!お願いします。じゃないと話についていけないからね。
「〔魔力〕は知っての通りアリアが発見したスキルだよ〜。その性質は魔力…。MPを消費することで魔法を発動することができることにあるよ〜」
「ふむふむ」
それはユキとの練習中に聞いたね。
「これが見つかるまで、正確には認知されるまではこのゲームに『MP』の
うんうん、こういうゲームに魔法は切っても切れない関係だよね。なかったら腕っ節だけのゲームになりそうだし。何より面白くなさそう。
「問題は認識されるまで、ステータスにMPが全く表記されなかったことにあるよ〜」
と言うと…、どういうこと?
「確かに…。それまではMPがあるだろうと予測していた人間が、どんだけ念じても表示はされなかったからな」
?
てことはそれまでステータスバーはHPだけだったってことだよね?
「アリアが初めて公の場でスキルを、〔魔力〕使って存在が明らかになって〜、そして起きた革命アップデート。そこから〔魔力〕を簡単に入手できるように、ステータスバーにMPが表記されるようになったよ〜」
「あぁ、俺の産業革命の時も、アップデートの後に生産系スキルが簡単に手に入るようになった」
「ひとつアリアに質問するよ〜?」
「えぇ、いいですわよ?」
ほんの少しアリアさんが身構える。
「初めて〔魔力〕を手にした時…、そのオーブは何色だった?」
そして投げかけられたユキの質問。一瞬キョトンとした後、少し思い出すように視線が左上に上がる。そして。
「?…ッ!!?そうよ、確か白だったわ」
「ッ!!」
重大な真実に気づいてしまった!みたいな反応を返すアリアさん。そしてその回答に反応するようにハルトさんもなにかに気づいたようだ。え?私やっぱり置いていかれてるんだけど?
「ハルトにも心当たりがあったようだね〜?」
「ああ、俺の時もそうだった…」
頭の中の情報を整理するように、ソファから身を乗り出し、何も無いテーブルを見つめながら考え事をするハルトさんが、ユキに答える。
「そう、このゲームにおいてレア度は出現率の高さに比例するよね〜?なのにそれまで白であるはずの〔魔力〕が発見されていなかった。おかしくなぁ〜い?こんなにもプレイヤーがいる大人気ゲーム。なのに、1番見つかりやすいはずの白のオーブが、いままで誰も見つけられていなかったことに」
ここまで来て、ビュアさんも気づいた様子。ビュアさんは落ち着いているように見える…。けどどこか動きが硬い。
「そういうことですか…」
「つまり、革命に関係あるスキルは、白なのに全然見つからない〜。そんな共通点があるんだよ〜…」
ほうほう?と、たぶん結論なんだろうけど!私はちんぷんかんぷんだよ。
「私が持っている革命スキルは2つあるよ〜…。ひとつはみんな知っている〔雪〕。…正確には〔氷〕のスキルもね〜。もうひとつは今回の革命に関係するスキル。〔妖力〕よ」
「〔妖力〕ですか…」
と、これからが私たちに関係することみたいだ。うん!知らないスキルだね。展開についていけないからとりあえず頷いておく。うんうん。
「この2つのスキルは入手した時のオーブが白だったのにも関わらず、未だにスキルブックに
「確かに載ってないな…。〔雪〕ものってない…」
ん?スキルブック…。あ、メニューにあるやつか。試しに検索しても出てこないね。
「私以外が入手してない…。基本スキルブックには新種のスキルを見つけた場合。勝手に名詞だけは
「確認した…。俺のスキルも載ってないのがあったぜ?」
「いままで革命は単体のスキルで起きていたけど…。私の予想だと何種類かセットで発見されないといけない可能性がある…。ということなんだよ〜」
「なるほど、だから私たち4人は呼ばれたのですね」
ほうほう!それでそれで?
「それもあるね〜」
「違うのですか?」
そこでふとユキは私に視線を移して。
「ナユカと仲良くなりそうだったからよ〜」
理由が私かい!!
「私のスキルは〔妖力〕。これは自身の体に妖力を使うと妖力憑依という状態になる。私が自身に
「なるほど、なら随分前からその〔妖力〕っていうスキルを持っていたんだな?」
「うん、そうだよ〜」
そんな秘密があったんだね?初めて知ったよ!…で?それが何になるのか分からないんだけど。
「そうか、なら…。俺のスキルも言おうか…。俺が持っているのは〔気力〕だな。これは気力を消費して魔法や属性を武器に付与し、その性質を相手への攻撃手段とすることができる。それと素手などに
「だから魔法を素手で
ハルトさんもそんなのあったんだ?
「次は私ですかね…。私のスキルは〔霊力〕です。これは霊力を使うと、遠隔で自身のスキルを追加で魔弾に付与。そのまま遠隔で発動することができるスキルですね。また、物に意志を宿すことができるらしいです。魔弾が自分で考えて動いたりします」
「またなんとも強力な…」
魔弾が勝手に動く…。迷子になりそうだね!
「次はナユカのスキルよ〜」
と言われましても。あ、でもひとつ。昨日調べた時に見たんだけどこのゲーム回復スキルが無いってのが有名というか常識らしい。
ゲーム唯一の回復手段が回復薬などのアイテムでそれ以外だと自然回復以外ではHPもMPも回復しないらしい。
だが昨日の黒龍の時といい、さっきのハルトさんとのバトルでも何故か私はHPとMPが回復していた。つまり、まだプレイヤーが見つけていないスキルでなおかつ用途がパッと見分からず、さらに白色のオーブだったスキルと言えば…
「私のスキルでそんな変なのはないと思うんだけどね…。〔魅力〕。まだ条件はわかってないけど戦闘中HP、MPが勝手に回復してるよ。回復しない時もあって、回復する時は誰かに見られているからユキの〔妖力〕みたいに他者が関係してるんだと思う。まだちょっと分からないかな?」
そう、〔魅力〕のスキルだ。思えば、黒龍戦の時も、さっきのハルトさんとのバトルも。たくさんの目があった。それは黒龍戦を見ていた人達であり、ビュアさんの視聴者である。
「おお〜。自分で自覚があっただけで驚いてるよ〜。よく気付いたね〜?正確には他者の感じた感情でそれぞれの
「おぉ!さすがユキ!」
なんでそこまで私より正確にわかってるのかとても不思議だけどユキは
メイン仕様
■■6■■■■
これは全て単体でも強力なスキルの発動至点になるが合わせて使うことに意味がある。
魔力 MP magic=魔法
魔力を使い様々な自然現象を攻撃に転用できる。
気力 SP spirit=気功
気力を消費して自然現象を(武器、自身に)付与(纏わせる)することができる。
また、素手などに纏うことで魔法耐性、身体能力強化を獲得。
霊力 GP ghost=降霊
霊力を使うと遠隔で自身のスキルを追加付与。発動することができる。また、物に意志を宿す。
■力 ■P ■■■■■■■■■■■
■力を■■■■を■■すこ■■■きる。また■■■距離攻■■■■とする。その■■■ギミ■■を■■■■■れる。
妖力 WP willpower=念力
自身の体に妖力を使うと妖力憑依できる。憑依させたもののイメージと自身の振る舞いが重なれば重なるほど強力になる。また魔法物理ともに遠隔で軌道や性質を変化させることができる。これは敵の攻撃などにも効有効。ただ制限あり。
魅力 CP charm=印象
魅力を使うとそれを見たものの感情によって恩恵を受ける。または授ける。