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T061  【ドーン】【チュドーーン】♪



「まだまだッ〜!!装填完了!!うせなッ!【ドーン】!!」



 壁を突き破って博物館のドームへ侵入してきた少女は、2発目をかわされたとわかるとすぐさま次弾を放つ。それはビュアさんの方を狙っている。


「ビュアさんッ!!」


「ッ!」



 先程とは異なり、太くなったレーザーがビュアさんをおそうが、それをギリギリで回避していたビュアさん。流石だね!でもほんの少しあたりの余波にもダメージ判定はあるらしく、ビュアさんのHPが少し減少していた。あのレーザーは大きくよけないとダメってことか。


「この子が左側から来ていたプレイヤーですね」


「うん。壁、破壊してたし…」


 私よりも小さなその女の子は、オレンジがかった髪色に黒基調の所々に凹凸のある服を着ている。黄緑色の瞳は少しエメラルドのよう。何よりも目立つのは、どう見ても不釣り合いなほどの大きな重砲。


 少女はこの重砲から先程の攻撃を放っていた。



「ビュアさんメカですよ!!あんなのもあるんですね!」


「いえ…。初めて見ました」



「え?」


 初めて見た?じゃあなにあの重砲。自作でもしたの?またこっちにかまえてきてるし。



「ナユカさん!ここは私が。先にオーブだけ貰って来てください」


「え!?ビュアさんは?」



「私は足止めしてますんで」


 ビュアさんは私に先に行けという。確かにこの間に他のプレイヤーに取られたら元も子もない。もう1回サーチする手間を考えたら確かにそっちの方がいいか…。でも…


「わかりました!ビュアさんお願いします!」


「はい!」


(オオゥ、その笑顔が素敵!これ私に笑いかけてるのか?かけてますよね!?やったー!役得だ!ユキさんのギルド(予定)入って良かったー!!)


 私がそういうと照れたのかそっぽを向いて…、たまにこっちをチラチラと肩越かたごしにのぞくビュアさん。意外と照れ屋さんなんだね!(違う)



 そのまま私はビュアさんをおいて先に進むのであった。




*>>ビュア視点





「あ!?まてっ!!?邪魔すんな!!」


「いえいえ、邪魔するのが私の役目なので」


 さてと、ちょーと格好つけてナユカさんを行かせましたが、私が勝てる見込みははっきり言うとあまりないですね。〔霊力〕使えば五分五分でしょうがさっきあまり使わないように、という話し合いをしたばかりですからね。でも…。すごく…。すごく!この女の子のあとをついて行きたいという…、おっと!ストーカーじゃあないですよ?


 明らかに何か。私が知らないスキルの匂いがします!しかも、もしかしたら私たちと同ジャンルですか?いや、まぁそんな滅多めったなことはないでしょう。かなり私たちのスキルは革新的…。決めつけは良くないですね。ここはひとつちょっと探りを入れてみましょうか!


「このッ!【ドーン】!」


 また少女が持っている重砲に…、〔魔力〕ですかね?が溜まっていき極太ビーム側が放たれてきます!いや当たったら即死ですかね!〔飛行〕では間に合わないのでここは〔飛翔〕で回避します。それをんでいたのか、今度は少女の周りにいくつもの魔弾が形成され、私目掛けて飛んできました。


 私は相殺して難を逃れますが…、凄いですね。魔弾の形が弾丸の形をしています。初めかなりのスピードで驚きました。


 彼女はその後ナユカさんを追おうとして、横から抜けようとしていますが、そう簡単には抜けさせません。


「なっ!」


 通路に向かおうとしていた彼女は、その通路をこばむように出てきた弾幕にぶち当たり弾き返されます。


「先に行こうとしても無駄むだですよ」


 私が〔遠隔設置〕しておいた〔魔法陣〕から出た弾幕が通路を塞ぎめ尽くす勢いで〔停止〕し、これを突破するには無傷でとはいきません。かなりばらいたので強行突破はできないでしょう!


 それは彼女もわかったのか今度は通路目掛けて極太ビームを放とうとしていますが…



「させると思いますか?」


「うグッ!」



 再度私が弾幕を〔楕円だえん〕を描く軌道で少女に当てると、チャージはキャンセルされ姿勢を崩します。


「ここですね【イムーバブル・モデル】!」


 今回は簡易的ですが、1人相手には十分な〔魔法陣〕を遠隔えんかくで設置してあります。ナユカさんと、別れてすぐから背中で隠しながらちまちま回避するフリをして設置するのは少し骨が折れました。

 しかし、相手は黒龍みたいに体が大きい訳でもないので〔硬化〕も一発目からしっかりきいています。



「うご…けない!!」


 前回みたいに〔霊力〕使用の二重付与ではなく、今回は足止めメインでもう逃げられそうもないので、手動で再度〔硬化〕付きの魔弾を当てるだけでいいでしょう!


「あとは終わるまで大人しくしててください」


 しかし、私の予想は当たらず…


「【オートパイロット】EP半分だッ!やれッ!【チュドーーン】!!!」


「重砲が勝手にッ!!くっ!!」


 少女は動けないままだが、重砲が少女の手から離れ空中にそのまま滞空たいくうしこちらを目掛けてチャージし始めました。まずい!そのまま重砲を狙い魔弾を飛ばすも、軽々と避けていく重砲。


 こちらも回避行動にでていますが、明らかにいままでとは違う動きとチャージ時間です。こういう場合は本体を狙うのがいいのですが…、さっきのセリフ…。後で詳しく聞かないといけません。つまり…、絶対避けなければ!


 もし、ダメでも動画出演をお願いしたい!!(本音)





「出し惜しみは…。してられませんか…!では!」



 GP

├──────────────╂┨



├─────╂─────────┤



「こんなに使うのは初めてですが、霊力の本気!お見せしましょう!【1フレームの】!」



 そしてドームは5割がビームにおおわれる。とてつもない破壊の嵐。幸いビームの向かった側はナユカさんの行った方角ではありませんが、しっかりと私をとらえた重砲はこの大質量の攻撃の中心に捉えられています。


「よしッ!やったな!!」


「それをフラグと言うんですよ…」



「ッ!?!?なん…で生きて…」


「さすがに早すぎましたね…。少し気持ち悪い…脳がついてきていませんよ…。うっ…」


 いやー…。成功しましたね…。〔加速〕+〔超高速〕+〘加速〙+〘超高速〙の二重付与。

 その代わり早すぎて死にかけましたが。あと少しブレーキが遅かったら、壁に赤いシミができてましたよ…。いやもう壁消し飛んでお空が見えてるんですけどね?


「ビュアさーん!オーブ取れましたよー!」


「OKです。時間稼ぎ成功ですね」


「そ、そんな…」



「意外と近くにあったよー!…でこの半壊のドームはどうしたの?」


「戦闘の余波です。問題ありません」


「お、おぅ…」


 相手が予想以上に強者でしたが、これからのこともあります。まずは…、自己紹介からですかね?


 とりあえず。ペタンと座り込んでいた少女の方へ向かうとしましょう。




ーーーー


魔力→MP


気力→SP


霊力→GP


■■→EP


妖力→WP


魅力→CP


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