目次
ブックマーク
応援する
1
コメント
シェア
通報

T067  ソロ部門予選開始



 そんな前夜祭を楽しんだ私たちは、翌日。闘技大会をむかえる。

 ちなみにソロ部門に私は出場しません。私を切り札として取っておきたいとの事。ソロとは別に、デュオとパーティー部門出るから出場しなくていいかな〜と私も思ってました!決して大変そうとか、ハルトさんがめちゃくちゃ時間使うぜ!とか言ってるのを聞いてめんど…。とか思ってないから!!


 ソロで出場するのはユキ、ハルトさんの2人のみだ。他のメンバーは出ないらしい。

 アリアさんはそもそもソロはあまり得意ではないらしいし、ビュアさんは他の優秀なプレイヤーにインタビューとかそっちの配信者としての活動に力を入れているし、ミカちゃんは出場したら力がバレる。


 そんなこんなで4人は棄権きけんしているのである。ここ中央闘技場で観戦している。ユキが個室の観戦席を準備していたらしく周りの目線を気にすることもなくとても気が楽です。


 ちなみにユキが個室を準備した、と言った時のハルトさんとアリアさんとビュアさんはあごが外れそうなほどユキを唖然あぜんと見続けていた。目の前で手をっても反応しないほどだ。大丈夫かね?

 ちなみに後で聞いたがアホみたいにお値段が高いらしい。それを全試合ぶん借りているからとてつもない…。そりゃぁそんな表情になるのもわかる気がする。



 さて、ここで闘技大会の対戦についてなのだが、さすがに闘技場ひとつにつき毎度1試合ずつ試合をしていると時間がとてもかかってさばききれない。なのでひとつの闘技場につきチャンネルが10~20個開設されており各々別に同時進行で試合が進んでいる。

 闘技場は世界に沢山あるため、同時にたくさんの試合が消化されていく仕様だ。


 これでもソロだけで2日使うのだから、どれだけプレイヤーがいるのか…



 そんなわけで、試合の観戦は全て見ることはできないのかと言うと。そんなわけでもなく。全ての試合が公式に記録されており、いつでも見られるようになっている。また、現実でも全ての試合が生配信で見られるらしいし、特設サイトで記録された映像を見ることも可能である。


 予選、本選と別れており本選に出場出来ればその時点で、もう既にかなりの実力者と言っていい。

 あれ?私、デュオとパーティー出るけど勝てる??


 予選はポイント制であり、毎度違うプレイヤーに当たる。ポイントは勝敗、試合時間、被ダメージの3つから算出される。また、試合終了から即座に対戦を希望することもでき、当たり前だが多く試合をすればそれだけ有利である。なお、会場の数により順番待ちが発生することも多々ある。


 これが今日の9:00時の開会式があってその30分後、9:30から夜の10:30まで行われ、上位1 000人が本選へ出場することができる。


 まだ細かいルールはいっぱいあるらしいが、とりあえずこんな感じ。そして…



 私たちの前には、毎試合ほぼ瞬殺(1分くらい)のユキがいたのであった。


「これはひどい」


 なお、毎度瞬殺でもユキがポイント1位じゃない。大体のトッププレイヤー達は、結構みんな似たようなポイントなのだ。つまりユキみたく瞬殺している人間が何人もいると…




 ユキの戦い方は技すら発動しない。もれなく全員ユキの弾幕にボコボコにされ、HPを瞬く間に全損させていく。


 ちなみにハルトさんは、実はこの時ユキよりもランキングが上にいたり。試合始まってすぐに〔瞬歩〕を使ってバッサリ物理攻撃(一撃)でユキよりもはやく試合が終わるのだ。こちらも瞬殺(40秒くらい)である。



「こう見ると物理って強いですね」


「一撃で致命傷になることが多いからな」


「さすがにあの中に入って、魔法で勝負するつもりはないですわ…。むしろ1分、物理なしでバトルを終わらせるユキさんが化け物ですわよ…」



「同感です」



 と、散々な言われようである。


「酷いな〜」


「ユキ!試合はいいの?」


 そんな観戦席の感想中、ユキが観戦席に帰ってきていた。


「大丈夫〜、初めはみんなこんなもんだから〜」


「ちゃんと帰ってきたぞ?ユキさん」


 その後ろからハルトさんも帰ってきていた。ポイント大丈夫?


「ハルト何やってるのよ!さっさと試合してらっしゃい!」


「まあまあ〜、これは作戦だよ〜」


「?」


 ユキが言うには、13時間にも及ぶ予選では、リアルの都合や、現実でのお昼ご飯などで必ず休憩が必要になってくるらしい。それはわかるのだが…。昼時になると一気に試合が減るのだという。あぁ、みんなお腹すくからね。

 そのためプレイヤーの少ない昼時に試合をするため、狙って先に帰ってきたとか。まだ10:00だよ?


 さらにユキは予選の抽選の仕方を逆手に取って、一気に差をつめるもりだとも言う。


 試合の抽選には、ポイントが強く影響えいきょうするらしい。公式が言った訳ではないが、同じくらいのポイントの人と当たりやすくなっているのだとか。


 そして上位を目指す人は、ほぼ常に試合をしているのだが、そういう猛者もさと同じように試合を何回もしていても、ただ体力と集中力を早いうちから消耗しょうもうするだけで。

 このタイミングで抜ければ比較的に楽に、かつ高ランク食い込めるとユキは言っていた。


 本当に上位1 000位以内に入りたければ、体力と集中力が1番重要なんだって。逆に言ってしまえばここで1位になっても、1 000位と何も変わらないだけ無駄なんだと。ならこの勝率なら今ここで休憩しておいて、少し下から1 000位以内をキープする方がいいんだって〜。


 敵を瞬殺できるなら、だけど。


 ユキって怖い。ちなみにこの大会のポイントシステムの情報は、カフェにいるマスターから買ったんだって。

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?