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T094  2人の決勝!!



『え?今何が起こったのでしょうか!?』


 ここまで激闘げきとうを繰り広げてきたナユカ達を見ていた観客達は、目の前で起きた事がわからずにいた。


 最後の攻撃。どこからか剣を取り出したシオリに肉薄され回避不可能と思われたを至近距離で喰らった…。所まではわかるが。攻撃を受けた瞬間にナユカが頭に被っていた?その狐のお面が光ったかと思えば、何も攻撃は受けていないシオリのHPがくだかれた。

 どんな攻撃が、どうやってシオリに攻撃したのかわからなかったのである。


「あれ?終わった…?」


 そしていきなり試合終了、ナユカは何が起こったのか理解が追いついていないようにキョロキョロと辺りを見回していた。




「ユキ…、このお面何仕込んでるの?」


「ん〜…。HP全損する攻撃を1回だけナユカと攻撃側ではんぶんこするようにしたよ〜」



『「はー!!?」』


『これはひどい。一体その効果が付く装備。どうやって作ったのか』



『そんなのありなんですかッ!?』


「なかなか大変だったよ〜。私とハルトが全力で作ったからね〜。貴重な素材もかなり使ったし〜」


「私、何も聞いてなかったんだけど!?」



「ビックリさせようかと思って〜!」


 確かにびっくりしたが装備の性能くらい教えてくれといても良かったじゃん!と。ブーブー言うナユカ。あっさすがに死んだかなーって思ってた矢先よく分からないまま終われば誰だって驚くであろう。そのままナユカとユキはぎゃあぎゃあさわいでいるのを横目にアキアカネは場を持ち直すためヒカリに解説を求める。


『ヒカリさん。これ簡単に効果説明できます?』


『ん。まずナユカ選手のHPが残り50だったとする』



『ほうほう』


『かたやシオリ選手のHP10だった。そこにナユカ選手をシオリ選手が。攻撃。一撃で出たダメージが60』



『ハイハイ』


『しかし。お面の効果「致命傷を1回だけ半分跳ね返す」が発動』



『跳ね返す?』


『こう説明した方がわかりやすい』



『あぁ、なるほど』


『60の半分は30ダメージ。それがそれぞれ2人に入る。するとナユカ選手がHP20。シオリ選手がHP0。結果ナユカ選手が生き残る』



『と、言うことらしいです!!』



 さて、理解出来たプレイヤーは果たして何人いるのだろうか…


「うー、ユキの装備に助けられた…」


「いやいや〜、ナユカも頑張ってたと思うよ〜?」


 ナユカをなだめつつニコニコ顔のユキは大変満足そうである。


「よし!まあ〜勝てたことだし?すぐ決勝始まるからね〜。たぶん…、すぐ勝っちゃうんだけど」


 そうナユカを引き連れながら一旦会場を後にする2人。しかし会場は未だ冷めやらないざわめきの真っ只中にあったのだった。


 よく考えて欲しい。こんな大きな大会で準決勝なのにナユカは最後こそ装備の効果で勝てたとはいえ、2人を相手に1人で勝って見せたのである。〔魅力〕とかいう不思議要素まで引っさげて…


 現在。コメント広場やその他情報交換の場ではありえない速度でコメントが流れていっていた。




*




 色々あったが次は決勝試合へと移行する。相手チームの準決勝がナユカ達より先に終わっていたらしくそのまま連戦することとなったのだ。



『ナユカ〜。すぐに雪山展開するからその間だけフォローお願いね〜』


『ラジャー!』



『ランプ。初手でユキが山を作るはずだから、その間にできるだけナユカを痛めつけてね』


『あー?ユキ殺らなくていいのかよ?』



『できるならやってもいいよ?でも絶対ナユカが邪魔してくると思うけどなぁ』


『ちっ、わかぁーたよ』





《スキルオープン》





「んじゃ頼むよナユカ〜。相手はそこそこランキング上位だからね〜【あなたの美しい命を凍らせましょう】」


「おいおい!カルマ!!5位と14位がそこそこだってよ?」



「なら言ってあげなよ。9位ごときがいきるなって」


 ランプは剣を、カルマは杖を構える。


「あー、そういう感じの人達なんだね。なら私も本気で潰しに行くよ!ユキをバカにする意味を教えてあげる!さぁユキ!!【君と咲かせよう】!」


 舞い散る雪と桜。今決勝戦が始まる。





《スタート!!》





「【吹雪の中に私は生まれるブリザード ウーマン】!」


「いくぜ?【落石】!」


 ユキは吹雪を起こし、ランプってプレイヤーは岩を一旦上空へ。そしてそれが私の真上に来ると、即座に〔急降下〕してくる。それを〔ジャンプ〕で回避したナユカ。そこに…


「【出る杭は打たれる】」


 もう1人のプレイヤーがナユカ目掛けて弾幕を発射。その全てがナユカを狙って飛んでいく。それを〔飛行〕しながら上に登り、引き付けてから真下に急旋回してかわそうとするが…


「うわっ…。全部追ってくる!」


 弾幕とすれ違うと、その全てが〔追尾〕するようになっていた。このまま下に降りると、この弾幕と下にいるプレイヤーにナユカは挟み撃ちにされてしまうため扇子でできるだけ弾幕を打ち消していく。


「かかった」


 そんなナユカの行動を見てカルマがあやしく笑う。


「!??うわーーっ!!?」


 その弾幕を弾いた瞬間。扇子がとてつもない重量になりそのまま重量を支えきれなかったナユカごと落ちていく。


「【山の中の幻小屋スノー マンティス】」

 ここで詠唱が終了したユキの技が発動!!


 下には待ってましたと言わんばかりのランプが剣を構え、ナユカを斬らんととらえていた。


「よっ!せいっ!!」ポイッ!


「なにーー!」



ガキンッ!!



 ナユカは落下しながらも体制を整え、重たくなった扇子をランプに狙らいを定めて手を離す。ついでに下方向全面に〔桜〕弾幕を振りまくおまけ付きだ。


 剣で扇子を防いだランプ選手だが〔桜〕弾幕まで意識を散らす訳にはいかず、そのまま少し被弾する。が、数発なのでそこまでダメージは削られていない。


 ナユカは扇子の重量から解放されてもなお下に落下。〔追尾〕してくる防御するとなんか重くなる魔弾をそのまま引き連れ、地面に近づくと今度はできるだけ相手から離れるように〔ジャンプ〕を使い水平〔飛行〕に切り替え弾幕を地面にぶつけて打ち消す。


「扇子持ってないけど!!【舞戦扇武「ダンスフィンブレード」】」


 元々、〔スーパーアクセル〕〔舞う〕〔風〕〔逆境〕しか使ってない技なので、扇子があってもなくても発動に変わりはない。ナユカの動きが目に見えて速くなる。


「ある者に小屋の中で約束をした。それは優しくも美しい命。そこにあったものは輝いていた…」


 ユキの詠唱が始まる。相手からはナユカとユキの居場所は見えていない。なのにランプはしっかりとナユカの方角に飛んで行った。


「隠れれてないぜぇ?」


 さすがに決勝戦。相手も只者ではないらしかった。




ステータス



ーーーー



名前 ナユカ


所持金 218300G



HP 0├───────────┨


MP 0├─────────╂─┤


CP-5 ├─────╂─────┤5


称号「回避の極意」




《スキル》


『パッシブ』


「原型」

魔力 魅力


「強化系」

体力強化 魔力強化


「生活系」

食べる


『アクティブ』


「属性系」

火 光 風 水 土


「変化系」

火炎 爆発


「鑑定系」

植物鑑定 鉱石鑑定 物品鑑定


「色彩系」

赤 青 緑 紫


「動作系」躱す 回す 伸ばす 直角 止める 減速 連動 集合 舞う 帰還 条件 打ち上げ 曲げる 振りまく 追尾


「設置系」

魔法陣 設置


「音響系」

歌唱 効果音


「表示系」

地図 表示 隠蔽 掲載


「部位系」

足 手


「命名系」

技名


「技術系」

短剣術 剣術 槍術 弓術


「造形系」

星 針 魚 桜


「体術系」

叩く スーパーアクセル 蹴る


「防御系」

防護 受け身


「装備系」

装備


「生産系」

鍛治 裁縫 調理


「飛行系」

ジャンプ 飛行


「状況系」

逆境 鼓舞


「行動系」

拍手 笑顔 投擲 与える


「?」

念話 合技


ーーーー


【煌星流姫「ペンタゴンスター」】


【舞戦扇武「ダンスフィンブレード」】


【昇華星林「トゥインクリング ナイトフラワー」】


【赤眼発動「ワールドビュー」】


【君と咲かせよう】



状態


重量上昇(扇子)




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