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V1.02  交渉と協力関係



「「おじゃましまーす」」


「ようこそ…。と言っても何も無いのだがね」


 あの後すぐにハッチ…?が開かれ船内に招かれた私たち。それを出迎でむかえたのは、ひげを生やしたいかにも偉い人!という風貌ふうぼうのイケオジだった。後ろに他の人も微動だにせず待機している。か…かっけぇ!


 でも少しだけピリついているね。警戒されてそう。


「こちらで話そう。あまり時間がないのでね」


 そう言ったイケオジは、すぐ後ろにある扉を開き中に案内してくれる。

 艦内かんないは、重力が常に艦の底方向に固定してあるらしく、たとえ地面に突き刺さっていようと安定して立っていられる。便利。乗る時ちょっと不便だったけど!


 中は至ってシンプルな作りで真ん中にテーブル。その両サイドにソファが置かれている。そこに私たちとイケオジが座り、どこからともなく紅茶が配られてきた。



「紹介がまだだったな…。私の名はアリオト・ペイ・セブンスター。この艦「ノアNo.2」の艦長をしているものだ」


「私はユキ」

「私はナユカです!」


 簡単な自己紹介…。と言ってもプレイヤーである私達は名乗ることしか別段することはない。


「おふたりはこの星の住人とお見受けする」


「そうだね。あなた達はどこから来たの〜?」


 ユキが答える。しかしまだ警戒しているのか少し会話をにごしている感じが両者からただよっていた。2人ともお互いが敵か味方かまだ不明ではあるため、できるだけ情報を与えないで情報を得たいのだろう。

 私?紅茶頂けて満足です。だって〜やることないんだもーん。



「私たちははるか遠い星からやってきた…」


「詳細な場所は言えない?こちらはいきなり隕石が降ってきてびっくりしてるから、少しでも敵意がない。ということを証明して欲しいのだけど?」


 そうユキが少し高圧的に問いかけ、それに艦長のアリオトさんは少し考えて言葉を選んでいる感じだ。キリッ!としたユキもこれまたカッコイイ!普段白雪姫やら雪女やらロールプレイしているものだからそういう雰囲気のかもし出し方が上手い。


 ユキはプレイヤーとして、ある程度ワンタイムイベントなどで見た情報を得ている。NPCからしたら分からないだろうが、PVの内容から予測したことを確認したいんだろうね。見る限り彼らに敵がいるのは確かだし。


「すまない。こちらも自分達がもうどこから逃げてきたのかわかっていないのだ。我々は敵からの攻撃を受け、逃げるので精一杯でね…。何とか逃げ延びた先、ここにたどり着き、そして体制を整えようとした時に再び敵からの攻撃を受け各艦隊がちりじりになってしまった。

 全艦この恒星系内のどこかの惑星に不時着しているはずだ…。信じられないだろう…。だがこれがこちらの現状になる」


「そっか〜。私たちやこちらに攻撃の意思はない。むしろさっきも言った通り、助けになりたいと思ってはいる」


「それはありがたい!」



 とりあえず敵がいることをこちらに濁すことはないらしい。

 ユキの回答に顔をあげる艦長。


「ただ…。そっちがこの惨状さんじようを起こしていることに変わりはない」


 そこへ、ユキが強く艦長に言い放つ。凛々《りり》しいユキは美しい!


「すまない…。結果的に巻き込んでしまっている…」


「だから…。少し条件をつけたい。協力するのは構わない。でもそちらの持っている情報を公開して欲しい」


 ユキの淡々《たんたん》とした物言いに不安なのか、艦長は再び顔を伏せてしまうが、その反応を見ればかなり窮地きゅうちにあることが伺えた。



「わかった。できる限りその要求に答えよう」


「あともうひとつ。先に聞いておきたい。…私たちは今協力関係をいたが、そのちりじりになった他の艦にそのことを伝えることは可能かな?」



「それが…。通信システムをやられてしまっている…。復旧までには時間がかかる見込みだ。すまない…」


「できない…。という事ね」



「あなた方のように対話から交渉してくれる限り、こちらからは攻撃はしないだろうが、そちらから攻撃を加えた場合は、敵性存在として防衛行動を取っていてもおかしくはない」


「現状は把握したよ」



「重ね重ねすまない…」


 現状はこの艦とは和解できたとみていいのだろうか?しかし、他の艦とは連絡が取れないと。


 そうやって相互の状態を確認していたその時。




ビーーーー!ビーーーー!




「これは?」


 明らかな異常事態を知らせるブザーが艦内に鳴りひびき出した。…うっ…嫌な音…


「一体何事だ!」


 即座に部下と連絡を取り出した艦長。その通信は艦内に響き渡る。


『敵性反応が本艦に一斉に接近し始めました!!』


「なに!!」



ーーーー


メインストーリーシークレットクエスト「クリア」


 ファーストコンタクトを成功させよ。



勝利条件:墜落ついらくしたいずれかの艦にコンタクトを取ろう。

敗北条件:コンタクト成功前にモンスターによる襲撃の開始。


報酬:一部「来訪者」の協力

特別報酬:モンスターの情報開示


ーーーー


ピロン!


ーーーー


緊急クエスト:モンスターの襲撃

 各闘技場周辺の戦闘不可エリア改め、セーフティーエリアを死守せよ!!


勝利条件:敵モンスターの殲滅せんめつ

敗北条件:セーフティーエリアの破壊



ーーーー


緊急シークレットクエスト:「ノアNo.1.2.5.7」の死守

 各艦「ノア」シリーズの死守。または協力関係を構築せよ。


勝利条件:どれかひとつでも「ノア」の死守成功。

敗北条件:全艦「ノア」の大破。「来訪者」の全滅。


クリア状況


1号:接触成功。

2号:接触成功。協力関係構築成功。

5号:未発見。

7号:接触中。


ーーーー



「な!なんかいっぱい出てきたよ!!」


「これは…。結構やばいかも〜…」


 私たちの目の前に突然現れるクエストパネル。そして…



「時間がない。ユキ殿!これを!今落ちてきたモンスターの情報がこれに入っている。これをできるだけ早くこの星々の人間に広げてくれ!役に経つはずだ」


「オ〜、ナイス!!ナユカ!〔掲載けいさい〕で各コメント広場にこの情報をっていって!私はビュア達に協力をあおぐよ!」


「わ、わかった!!」


 ユキからその情報が入った…。なにこれ?まあ何かを渡され情報を読み込む。


《〔掲載〕を確認。拡散しますか?》


 いきなりシステムが動いたけど好都合なので即座に許可する。



〖プレイヤー:ナユカ により情報が開示されます〗


 今度はいきなりワールドメッセージが流れて、一斉に全てのプレイヤーに情報が行き渡る。

 あ、なんかすげー。






 少ししてユキはみんなにメールでこのことを知らせたあと。すっとこちらにこっちに手を差し出しまるで今からエスコートでもしてくれるような感じで私に


「さぁ、行こっか〜。対モンスターでも暴れるよ〜?【私と一緒に踊りましょう】!」


 誘い文句を読み上げる。うんうん。楽しそうだね?いいよ〜?


「もちろん!喜んで。ここを守ればいいんでしょ?なら盛大にやらないとね!!弾幕の花を【君と咲かせよう】」


 そうして私たちは飛び出していく!なんだか色々急展開だけど、ゲーム。楽しまなきゃそんだよね!









ステータス



ーーーー



名前 ナユカ


所持金 200 218 300 G



HP 0├───────────┨


MP 0├─────────╂─┤


CP-5 ├─────┼╂────┤5


称号「回避の極意」「覇者」




《スキル》


『パッシブ』


「原型」

魔力 魅力


「強化系」

体力強化 魔力強化


「生活系」

食べる


『アクティブ』


「属性系」

火 光 風 水 土


「変化系」

火炎 爆発


「鑑定系」

植物鑑定 鉱石鑑定 物品鑑定


「色彩系」

赤 青 緑 紫


「動作系」躱す 回す 伸ばす 直角 止める 減速 連動 集合 舞う 帰還 条件 打ち上げ 曲げる 振りまく 追尾


「設置系」

魔法陣 設置


「音響系」

歌唱 効果音


「表示系」

地図 表示 隠蔽 掲載


「部位系」

足 手


「命名系」

技名 合技


「技術系」

短剣術 剣術 槍術 弓術


「造形系」

星 針 魚 桜


「体術系」

叩く スーパーアクセル 蹴る


「防御系」

防護 受け身


「装備系」

装備


「生産系」

鍛治 裁縫 調理


「飛行系」

ジャンプ 飛行


「状況系」

逆境 鼓舞


「行動系」

拍手 笑顔 投擲 与える


「?」

念話


ーーーー


【煌星流姫「ペンタゴンスター」】


【舞戦扇武「ダンスフィンブレード」】


【昇華星林「トゥインクリング ナイトフラワー」】


【赤眼発動「ワールドビュー」】


【君と咲かせよう】


【弾幕響鳴「スピリチュアルビューティ」】


状態

・魔力微特定回復


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