目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

V1.22  ランキングバトル!!今更





 さて、早速だけど全員で役割分担をした私たちは、それぞれが作業に取り掛かり始めた。


 私とユキはそのまま闘技場に、今回は協力してくれるプレイヤー、又はギルドを探すという目的だ。


 今日だけでノアと、闘技場に何回往復したんだろう?かなり行ったり来たりしているよ?


「さ、ナユカ〜。ちょっとランキングバトルしておいでよ〜」


「え?なんで?」



「その方が目立つし〜、ここにいるってわかるでしょ?ビュアが生配信で今頃この話をしているから私たちが適当に話しかけるよりも、向こうから来てくれる…。と思う」


 えー?そんな都合よくいくかな?


「ともかく〜、そろそろランキングバトルしてもいいでしょ?初心者なんて初日からあってないようなものなんだし〜?」


「私はまだ、一応初心者だよ」



「自分で一応とか言ってる時点で、もうそう思ってないでしょ〜?」


 うっ!?た、確かに。

 さすがに無理があるかなー?って思ってたけどもさ…


「というか闘技大会優勝者が初心者なんて思われる訳ないじゃ〜ん」


 ぐはっ!!?た、確かに。そういえば優勝してた!


 いや〜でも八割くらいユキのおかげっていうか。せいでって言うか。私はそのー…。あれだよ!何もしてなかったよ!


「ナユカは今日これからずっと、とりあえずランキングバトルしててよ〜。私は応援しながら見極めと交渉してるからさ〜」


「えー?」



「じゃあ〜、ナユカが交渉してくれるの〜?」


「行って参ります!!」



 よし!頑張っちゃうぞーーー!!



「疲れたら帰っておいで〜」


「はーい!」



 というわけで、私は初めてランキングバトルに行くのです!遅い?黒龍とか、大会とか、ノアのこととかあったから仕方がないよ!ね!





*>>ユキ視点






 さて、ナユカを送り出したことだし、初めのうちはほんとに応援でもしていようかな〜?

 と、移動を開始しようとした私に立ち塞がる人が1人。



「やっと。見つけた」


「やあ〜、ヒカリ〜。どうしたの〜?」


 目の前に現れたのは、いつもは実況解説をしているヒカリ。


「白々しい。要件はわかってるはず」


「まあ、予想はできるよね〜。でも今はナユカの初ランキングバトルだからね〜。一緒に来る?」


 9割何を言いに来たのかはわかるけど、今はナユカを応援してあげないと〜。


「ナユカの?興味ある。行く」



 やっぱり、気にはなるんだね?


「でも。ナユカと。フレンド登録はしてない。だから」


《プレイヤー「ヒカリ」がパーティー申請を申し込みました。受理しますか?》


 あ〜、一緒に見るならフレンド限定席にいないといけないから。それでパーティー申請ね。いいよ〜。



《「ヒカリ」がパーティーに加わりました》



 パーティーに入ったヒカリと一緒に闘技場の受け付けボックスへ行く。私がナユカとフレンドなので、そのパーティーであるヒカリも、無料で観戦チケットをもらえたようだ。

 そのまま観戦席に行きナユカが出てくるまでしばらく待つ。



「今のうちに。話しとく」


「うん。いいよ〜」



「あなた達2人の「半公式プレイヤー」側への参入は許可された」



 やっぱりね。そもそも課題であった「デュオ」の優勝は達成してたし、私は単体で、もうほとんど参入が決まってたのだからほぼ確定だったんだけど。



「それで〜?役割は何になりそうなの?」


「大きな区分は決まった。みたい。「■■■■」らしい」



「…。2人とも?」


「ん」



 まじか〜…。私もか〜…


「それってゲーム内の話?」


「いや、ゲーム内。よりは外がメイン。らしい。ゲーム内では。2人には。自由にしていて欲しい。らしい」




 外…。外か〜…。それは…



「もう1人、許可取らないといけない人が増えたよ〜」


「なにか問題?」


 問題…。と言うよりかは…。いや、問題か。



「私はいいんだけどね〜。ナユカのお父さんに許可を取らないといけなくなった」


 外での活動。つまり、生身での活動ということは、近くに常に私がいることが前提ぜんていになる。さらに最近ゲーム内では昔の元気さを取り戻してきたナユカでもまだリアルでの外出はない。

 そうなると本人が首を縦に振るかが少し怪しい。勇人さんの許可が降りるかどうか…


「本人には?」


「まだ伝えてないんだよね〜」



「それ。ナユカ引き受けてくれるの?」


「ナユカはするよ〜。私がやるって言ったらたぶん喜んでやるって言うね〜」


 本当はやるって確証はない。人前に出れるようになったのが最近なのだから…


「ならいいけど」


 一旦、どこかで許可を取らないといけないね。どうやって許可取ろうかな…



「それと。ナユカが歌ったあの歌。あれ。公式で欲しいって」





「まじで?」


「上は、そういうの作るの苦手。だから作ってくれるなら。むしろ歓迎かんげいらしい」



 統括とうかつAIは歌作るの苦手なんだ…

 確かに歌付きのものをゲーム内で聞いたことないけども、そんな理由があったとは。



「出てきた」



 ヒカリと話していると、時間が来たのかナユカが闘技場の舞台に現れた。少しだけオドオドしてるけど何とか舞台には立てたようだ。

 これが初めてなのだから無理もないが、初めてのドキドキというものは味わってみないと分からない。頑張れ、ナユカ。



「実況はさすがにつかないか〜」


「そもそも。私。ここにいる」



「そういえばそうだね〜。…サボり?」


よくよく考えてみたら中央闘技場専属の「解説」がここにいるのもおかしい。


「今日。休み。私にも休みの日くらいある」


 なるほど、休みの日なのにログインはしてるんだね?ヒカリもかなりのゲーマーだからな〜。


「始まる。応援しないの?」


「するよ〜。頑張れーー!ナユカ〜〜!!」


この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?