『本日はバトルトーナメント表職人のサヤマさんの工房にお邪魔してます。サヤマさん本日はよろしくお願いいたします』
「どうも」
『早速ですがバトルトーナメント表職人とは一体どんな職業なのでしょうか?』
「皆さんの馴染み深い所では甲子園のトーナメント表ですね。先代の時からの仕事です。今は基本的に全国各地で行われる大会のトーナメント表はほとんど私が作っています」
『それは凄いですね! ではこの仕事のやりがいは何だと思われますか?』
「やりがいですか。そうですね。トーナメント表を作るだけが私の仕事だと思われがちですが、実は使い終わったトーナメント表は私の所に返送されるんですね。その対戦の結果が赤線等で書かれているトーナメント表をみるとやってて良かったとは思いますね」
『使い終わったトーナメント表がサヤマさんに返ってくる! それは驚きですね! その中でサヤマさんの思い出に残っているトーナメント表などはありますか?』
「全部……と、言いたいところですが、一番はこれですかね。十年前くらいかなオリンピックの時に作ったやつでね。ここ見てください。このオリンピックの時に卓球で優勝した日本人選手の仲道選手っていたでしょう?」
『あぁ! いましたね! 覚えてます。決勝戦で奇跡の逆転勝ちをして卓球界の新星と呼ばれていましたね。その試合があったから思い出に残っているんですか?』
「ちょっと違いますね。確かに試合は凄かったですがよーく仲道選手の名前を見てください」
『えーっと……あっ! これ仲道が中道になってますね!』
「そうなんですよ! まさかのオリンピックで誤字があったんですね。テレビで観ていた人も会場にいた人達も誰も気が付かなかったレアなケースです」
『これは確かに記憶に残りますね。それでは最後にこれからバトルトーナメント表職人になりたい若者達にエールをお願いいたします』
「バトルトーナメント表職人になるには並大抵の努力ではなれません……それでもバトルトーナメント表職人になりたいという方は私の工房で求人を出していますのでよろしければ応募をしてみてください。求人多数の場合はバトルトーナメント表にて勝ち抜き面接マッチを行います」
『ありがとうございます。それでは本日のゲストはバトルトーナメント表作り職人のサヤマさんでした。本日はお忙しい中ありがとうございました』
「ありがとうございました」