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踏み台キャラである偽勇者の俺はひたすらに足掻く
踏み台キャラである偽勇者の俺はひたすらに足掻く
ギル・A・ヤマト
異世界ファンタジー冒険・バトル
2024年11月16日
公開日
5.6万字
連載中
 カイトは勇者である。  復活する魔王を倒すべく日々特訓し、平和を守る為に村を襲う魔物達を退治していた。  そうして彼は最終的に魔王を倒し、世界を救うだろう。  そんな未来は絶対来ないが。  カイトは前世を思い出し、知ってしまった。  この世界は前世でやった事のあるダークファンタジーゲームが元になっていると。  そして自分は偽物の勇者で、しかも敵によって作り出された捨て駒のホムンクルスだと。  さらに重要な情報も思い出した。  本物の勇者は、カイトの想い人であるクレアだ。  小さい頃からカイトと一緒に過ごしてきた幼馴染クレア。小さい頃、勇者のように大切な人を守りたいと誓い合った仲であり、その日からカイトと共に戦っている戦友だ。  もしゲーム通りに進むなら彼女は濡れ衣を着せられた上に追放されて、ヴァルハラ王国の追手から逃げる生活を強いられる。  しかし逃げる過程でいろんな村や街を訪ねて仲間を増やす。そうやって出会いと別れを繰り返し、やがては本物の勇者として覚醒するのだ。    そして最後に彼女は。  魔王と相打ちになって死ぬ。  カイトは激怒した。  そんな事はさせない。  ゲーム通りの結末にさせてなるものかと。  だからこそ彼は決意した。  クレアを死なせない為にゲームストーリーを変えてやろうと。  これは贋作として作られた男が破滅に抗う物語である。 ※話によって視点変更あり。

本文

第1話 その日、男は勇者ではなくなった

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