「“マジック・シュート!!”」
私はマホ。
通路で追ってくるロボット(インベーダー)を、私は魔法弾で狙っています。
5、6発ほどシュートしたのですが、それが全て一体に当たりました。
「「「◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆────ッ!!」」」
「あ、ダメです!! 全然怯んだ気がしません!!」
一応少しベコベコに凹んではいるっぽいんですが、活動停止に追い込めていません!
まだ何十発か必要そうなのですが、一体にそれだけかかると、何十体も追いかけて来ている今の状況だと全然間に合いません!!
うう、攻撃主体じゃ無い魔法少女の悲しきサガです!!
「「「◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆────ッ!!」」」
「「「◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆────ッ!!」」」
「「「◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆────ッ!!」」」
「とか言ってる間に、続々とやって来ましたー!?」
もうこれ、30体くらいいません!?
もう狭い通路なのにギチギチです!!
蜘蛛の形をしたロボット(インベーダー)がここまで密集して追いかけられてくると、普通に生理的嫌悪感が酷いです! 吐きそう!!
「ええい、こうなったら!! “マジカル・シールド!!”」
私は撃破を諦めて、普通に得意の盾を使うことに致しました。
魔法のバリアを貼って、通路を完全に通せんぼしました!!
「「「◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆────ッ!?」」」
「「「◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆────ッ!?」」」
「「「◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆────ッ!?」」」
「ふう。最初からこうすれば良かったです……」
私の貼ったバリアにぶつかったロボット(インベーダー)が、ガシャンガシャンと音を立てながら沢山ぶつかって行きました。
狭い通路だから、貼るバリアの大きさもそこまで多くなく、耐久にリソースを割り振る事が出来ました!
これならしばらくは安心でしょう!
にしても、このロボット(インベーダー)。正直趣味悪いですねー。
これが本当に、メタルマンさんが使ってるロボットと同一存在なのでしょうか?
正直、マンションで見たものと違いすぎて、全然別物に思えるような……
まあ、この時点の私はまだインベーダーって気付いていないのですが。
「まあ、良いです。すみませんが、このまま逃げさせてもらいまーす……」
そうして、私はバリアを貼ったまま反対側に進もうとした。
さて、通路は……二方向に分かれていますね?
どっちに行ったら良いでしょう……
と言うか、正直ずっと逃げていたから、今どこにいるのか全然分かりません。
最初に落ちた穴から、どれくらい離れたのでしょうか……?
地図とかこの辺りに無いですかね、フロアマップみたいな。
「まあ、とにかく今は離れるのが先決ですね。バリアも長時間はキツいですし。適当にこっちに……ん?」
適当に選んだ道を進もうとしたら、その進行方向から音が響いて来ました。
何の音でしょう? 聞き覚えのあるような……
だんだん音が大きくなって来て……
「「「◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆────ッ!!」」」
「「「◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆────ッ!!」」」
「「「◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆────ッ!!」」」「「「◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆────ッ!!」」」
「「「◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆────ッ!!」」」
「「「◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆────ッ!!」」」
「よし。逃げましょう」
私はくるりと踵を返しました。
そうして、選ばなかった方の道へ改めて走り出します。タッタッター。
「「「「「◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆────ッ!!」」」」」
「うざいです!! “マジカル・シールド!!”」
そうして、私が通った直後の道にバリアを改めて貼り直しました。
最初に貼ったやつは既に解除しています。もう新しいので十分ですし。
「うわーん!! なんでこんなにいるんですか、メタルマンさんのバカー!!」
『おい待て、私は全然関係無いぞおい!?』
何故か脳内イメージのメタルマンさんが否定して来たような気がしますが、そんな事気にしていられません!!
私はさっさと通路を走り抜けて行きます!
「けど、またこの先で別の団体に遭遇したらどうしましょう……!!」
そうなったら、一環の終わりです!!
頼むから、ぶつからないで下さい! そう念じながら走っていると……
ふと、見覚えのある通路にやって来た。ここは……
「あれ? あの天井……私が落ちて来たやつじゃないですか!?」
思いっきり見覚えのある大穴が天井に開いていました。
いつの間にか、元の場所まで戻って来てます!? そんな〜!?
「「「◆◆────────」」」
「っ!! ヤバっ、やっぱり前からも来そうです!?」
懸念してた事が当たりました!!
このままじゃ挟み撃ちにされてしまいます!?
二箇所以上にバリアは貼れなくは無いですが、魔力ガンガン消費しますし、ぶっちゃけキツいです!!
前後にバリア貼ったとしてもジリ貧で、いずれ両側から破れて潰されてしまいます!?
どうしましょう、逃げ場なんて……!!
「──あ! そうだ、“天井から逃げましょう”!」
私はピンッと、良いアイデアを思い付きました。
落ちた直後は慌ててたから気付かなかった事です。
しかし、狭い通路と言っても天井までそこそこの距離です。
空を飛べない系の魔法少女である私じゃ、全力ジャンプでもギリ届かないでしょう。
けど、実は裏技があるんです!!
バリア魔法ならではの! 実は……
「ちょこっと! “マジカル・シールド!!”」
そうして私は、小さな“マジカル・シールド”を展開致しました。
“空中に真横に”。
手で触って、空中にしっかりと固定されている事を確認致します。
「よし、大丈夫そうですね!! もういっちょ! ちょこっと“マジカル・シールド!!”」
そうして、作ったシールドの上にずらすように、もう一つのシールドを展開します。
これを繰り返し……
「ジャーン♪ 完成、シールド階段〜!!」
そこには、シールド魔法で出来た階段が天井に向かって伸び上がってました!
バリア系は空間に固定される仕様を利用した、踏み台代わりの応用です!
これなら、擬似的に空中戦も可能です! 我ながら良いアイデアです!!
「よっと。よしよし。このまま脱出しましょう!!」
そうして、私が階段を上がり始めたところ……
「「「「「◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆────ッ!!」」」」」
「「「「「◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆────ッ!!」」」」」
「やばい!? もう前後から追って来ました!?」
予想通り、前後からロボット(インベーダー)が大量にやって来ています!!
階段作るために、どうしても既に設置してた方のシールド解除せざるを得なかったから、後ろからもやって来ました!!
私は急いで階段を駆け上がります!!
もう少しっ……外だ!!
「出られましたー!! ステップ解除!!」
私は急いで、階段状のバリアを解除し。
「続けて、“マジカル・シールド!!” 穴を塞いで、と!!」
出て来た穴を、バリアでしっかり塞ぎます。
『『『『『◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆────ッ!!』』』』』
『『『『『◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆────ッ!!』』』』』
『『『『『◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆────ッ!!』』』』』
「……ふう。今度こそ一安心ですねー」
私はようやく、深い息を吐く事が出来ました。
バリアの下で、蜘蛛型のロボット(インベーダー)が密集しているのが見えます。キモいです。
「っと、安心してる場合じゃありません。元々放送で私はここから追われたんでした」
私はその事を思い出して、あたりを見渡します。
幸い、下にいるロボット(インベーダー)と同じものは、地上の周囲には見えないようですが……
「この場にじっともしていられませんね。早く皆さんを探しましょう!!」
そう思って、私はその場からタッタッタッと離れていくのでした……