「私が魔法少女だと......」
ほほほ、
「言い逃れはできないよ。
見知ったような呼び名で、検事やさかを促す
「
「その足がかりとしての聖アリギエーリ高等女学校だったわけだ。日本の華族の子女のみが集うこの女学校で、生徒を洗脳しその思想によって革命の手足とする――まあ、悪くない考えだ」
検事やさかの説明に
「証拠はすでに収集済みです。油断しましたね。
検事やさかはそう言いながら、風呂敷包みをとく。そこにはいくつもの帳面や写真が山のように重なっていた。
「お前......私を裏切るの......」
「裏切ったわけではない。やさかは最初から私の部下だ。そして」
後ろを向き、伊集中佐を
「伊集中佐もな。頭はいいようだが、会長代理は政治には疎いようだ。内務省に現役の陸軍軍人が所属するわけもない。その程度のことも知らずに、革命魔法少女気取りとは片腹痛いな」
ぐぬぅ、と鬼気迫る表情を浮かべる
「......この国に必要なのは戦乱なのじゃ。わらわが、嬉河家に生まれしは天保の初め。嬉河家では女子は忌むべき魔法少女の赤子とされ、出産まもなく殺されるのが常であった。しかし、父は私を生かした。外国船が来航し、幕府の弱体化も顕になっていた江戸の幕末。いずれくる動乱を予期して、私を『魔法少女』として育てたのじゃ。楽しかったのう、あの幕末の動乱は。あれこそが人間の生きる世界というべきじゃ。欧州大戦が終わりを告げた今、この日本を戦場として亜細亜大戦をひき起こしてやろうかとも思っておったのじゃ!」
禍々しい笑い声とともにそう叫ぶ
すざくは震えながら