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【オマケ】『第三王女の魔法珍兵器開発室』続編構想(未登場魔法珍兵器もあるよ)

 『第三王女の魔法珍兵器開発室』を読んでくださった皆様、ありがとうございました。ミノリアキラです。


 この作品には続編の構想があったのですが、ネオページ編集部に提出したところ没を食らってしまいました。なぜなのかは、フィードバックがまるでないので私にはわかりません。没になるのはいいんですけど、なんでなのか教えてもらえないのは何故? わかりません。


 本編中で中途半端になってしまったお話もありますので、プロットだけ公開しておきたいと思います。

 読んでもらえたらうれしいです。





『第三王女の魔法珍兵器開発室』続編構想


メインストーリー内容


 既存の113話に新たなメインキャラクター、フェリス皇女とステラン元長官(第一部で登場済)を加えて展開します。


・フェリス皇女はカイル王子と正式に婚約し、ヨルアサ王国とシンダーナ神聖帝国の関係は一見良好であるかのように見えます。しかしフェリス皇女はシンダーナ神聖皇帝が狂乱に陥っており、何らかの対策を打たなければ、遠からず戦火がヨルアサを襲う……ということを何故かクレノ顧問に警告してきます。


・いつも通り魔法珍兵器を開発しつつ、クレノ顧問たち魔法兵器開発局とルイス王子たち魔法開発局は魔法博覧会への出場権を得るため、それぞれ最後の対決に臨みます。

・対決の内容は、お互いが開発した魔法兵器がどれくらい国民生活に貢献するか、ポイント制の真っ向勝負です。ルイス王子は蒸気による動力機関を完成させ、圧倒的なリードを取ります。


・後がないクレノ顧問たち。フィオナ姫はどうしてもルイス王子に勝利したいため、クレノを頼ります。クレノ顧問はそんなフィオナ姫に「ルイス王子に勝つためなら、どんな兵器でも使うか」とたずねます。フィオナ姫は「手段を選ばない」と決断します。

・クレノ顧問は第一部でガテン親方と秘密裡に開発していた『薬莢※』を提出します。

(※薬莢は銃の連射を可能とする技術的なトリガー。これを開発すると、銃は単発式→連射可能になり、ガトリングガンやマシンガンの開発に発展していく。第一部登場の『鉄条網』や塹壕と組み合わせることで、兵士を大量に殺戮することが可能となり、それに対抗する兵器として戦車が誕生する。)

・薬莢がもたらす破壊の未来を予期し、ルイス王子は自ら開発競争から撤退。魔法兵器開発局の勝利となりますが、クレノはフィオナ姫に『薬莢』がなんのためにあるのかを実演して見せます。その威力を実際に見て「兵器とは、より多くの命を奪うことができるかどうかで良し悪しが決まるもの」であると悟ったフィオナ姫もまた魔法博覧会への出場を自ら辞退。発明を封印します。


・フィオナ姫はみずから戦争に勝てる魔法兵器を作るのではなく、戦争そのものを回避する術を模索し『シンダーナ神聖皇帝が欲しがるほどカッコイイけど、全然役に立たない珍兵器』を作って魔法兵器博覧会に出品することを提案します。その兵器をシンダーナ神聖帝国に売りつけ、軍事力を削ぐのが狙いです。この提案に、ルイス王子ほかヨルアサ王国の9王子王女+フェリス皇女が総力を上げて取り組みます。クレノ顧問は自らの知識から『ハボクック』『多砲塔戦車』『空中空母』を選定、これらを作って売りこみます。

・カッコイイけど役に立たない兵器を売りつけられたシンダーナ神聖帝国軍は知らず知らずのうちに、ハリボテの軍隊になっていく。やがてそのことに気がつくと、自らの軍が骨抜きになっていたことを認めるかわりに、戦争を避け、在位の間はヨルアサ王国と和平を結ぶと誓います。しばらく後この功績とシンダーナ神聖皇帝との約束から、フィオナ姫はヨルアサ女王に即位。大団円を迎えます。



《未登場魔法珍兵器》


デンジャラスキューブ:略してDB。9個集めると願いを叶えてくれる魔法のキューブである。ただし使用開始時に四方八方に飛び散る。かなり広範囲に飛び散る。クレノとフィオナ姫が魔法演習場で使ってみたところ、魔法演習場のほうに欠陥があり、出られなくなってしまった。二人はキューブを探して脱出を試みるが、キューブの出現地点が「みんなが取りたいと思っている丘の上」だったり「渡河地点」だったり。「そこまで取りに行けるならキューブなんていらねえよ」というクレノのもっともな意見でお蔵入り。


その後、フィオナ姫がPTSDでランボーみたいになった。


等身大野球盤:ヒマした王子様たちが、クレノを捕まえて「ヒマつぶしのオモチャを作れ」とか言い出した。クレノは少し考えて野球盤を作ってみることに。そもそも野球というものがないのでルール説明からだったが、キレ者揃いの王子たちはすぐにルールを掌握。単純な野球盤もツボにハマって大流行りした。

魔法開発局のスポンサーになってくれそうな有力貴族が王子たちと「等身大野球盤」で試合をすることになった。

もちろん制作はクレノである。

しかしながら超優秀な王子たちと、そのへんの凡俗貴族では勝負になりそうもない。

少しは仕込みが必要だと感じたクレノは、超有名野球選手をモデルにした等身大野球人形「ショゥヘーイ・オータニ」を開発。しかしショゥヘーイ・オータニが暴走。丸いものを見たらバットでかっ飛ばす野球の悪魔と化してしまう。


一人用人形劇団(シルバ・ニァ・ボックス):小さな箱に入った小さな人形の劇団。あらかじめ決まった台本通りに演技を披露してくれるおもちゃ。

人気が出そうな気配はあったが、問題は、人形に演技をさせるためには芸術の神の力を借りなければならないこと。芸術の神は最高の役者の最高の演技であれば永遠に小さな箱に閉じ込めておくことを約束してくれた。さっそく王都一の劇団を呼ぶよう手配するが、フィオナ姫が「魔法開発局で開発されているアイテムは軍事機密じゃ」ともっともなことをいう。

かくしてクレノ・ハルト・カレン・フェミニによる即席劇団が発足する。


一人用人形劇団海賊版:シルバ・ニァ・ボックスがヒット商品となったため、どこからともなく現れた廉価版のニセモノ。ただし邪神の力によって作られているので、箱にはよくわからない邪神の紋章が浮き出ており、起動すると30秒ほどの邪神の広告を見せられる。このような邪知暴虐の輩を許してはおけないとクレノは誓った。


普通の武器:クレノ謹製ガトリング砲。地方軍の手伝いに駆り出された実験部隊が使用。問答無用でなぎ倒されていく魔物の群れを目の当たりにした実験部隊の兵士たちがPTSDにかかる。フィオナ姫はこの件で「戦争ってやだな」「強い兵器を作れば、戦争が終わるわけではないのではないか」と気がつく。


(狂った果実みたいなノリで)狂った時計:絶対に起きられる目覚まし時計をコンセプトに開発された。使用者を目覚めさせなければならないという使命を果たすべく、時計は異常な進化を遂げる。


ガラスのデスシューズ:最初はデス要素はなかった。フィオナ姫が開発したガラスの靴。片方の靴をなくしても安心。もう片方の靴に引き寄せられる便利アイテム。

クレノは「靴を片方だけなくす奴なんていない。いるとしたら繁華街の路上で飲んだくれているオッサンだけ」と主張。フィオナはクレノに片足を履かせ、使用例を見せる。

すると、こちらに向かって走ってくるフェミニの姿が……。


皆殺しの剣:いかにも魔法兵器っぽい剣。敵を皆殺すまで手にくってついて離れなくなる。敵を設定しないうちに持ってしまったクレノは剣から手が離せなくなってしまった。持ったからといって特に強くなるとかはなく、見た目が「小学生が考えたおれのさいきょうの剣」並にダサい。

お蔵入りする直前、カレンがほしがった。

カレンは剣を改修して「書類を片付けるまで離れない剣」にして、みんなの背中につけてまわった。


スパイ養成スーツ:着用者がたちまちスゴ腕スパイになってしまう特製スーツであるが、製作担当が奥さんのお産に立ち会うため、クレノが代わりに作ることになった。しかしスパイのイメージをジェームズ・ボンドしか持たなかったため、たちまち007養成スーツにはやがわり。着用者が大使館を爆破したり、調査対象の妻とワンナイしようとしたため苦情が殺到した。


リアリティレベル調整機:兵器開発をがんばっているルイス王子とフィオナ姫のために父王様が貸してくれた、過去の優れた魔法使いが作り上げた魔法兵器。どのように作られたかはまるでわからないオーパーツ。使用すると、世界線が歪み、リアリティレベルが上がる。ハルトが有害な男らしさに満ちあふれ、ルイス王子がヘリオガバルス帝みたいになったので宝物庫に封印された。


《未登場キャラクター案》


フェリス皇女

・カイル王子の奥さんになるためにシンダーナからやって来た1か0しかない女。傍若無人そのものの父親のもと、魑魅魍魎がはびこる宮廷でサバイブしてきたため、発想が極端。ヨルアサ王国の技術レベルを早急に上げとかないと、シンダーナに侵略されて自分は死ぬ(皇帝は身内でも平気で殺すので)と思っている。

・実は転生者。クレノと接点はとくにないが、そうとわかると急にフランクになる。

・なお、カイル王子はフェリスに一目惚れしている模様(疑い深いフェリスは信じていないが)


ステラン長官

・田舎のヨルアサ王国に転居なんてやだ~、と思っていたが、ルイス王子のエンジンを見て思わずガッツポーズ。「死にさらせ神聖皇帝!」シンダーナ神聖帝国に向けて中指を立てた。非常に賢明な人物で、未来のビジョンがクレノやフェリスに近い。


キリギス(とゲスタフ)

・無人島生活をいとなんでいたが、人手が足りないので復帰。エンジン開発に力を貸す。


フィオナ母

・第一部終盤で登場した難民を支援するため王宮を離れている。フィオナ姫とは交換日記をしており、お互いにとって心の支え。

・フィオナが「わらわはどのような王になるべきか」とたずねたとき、クレノが「他国を侵略し、土地を奪って財をなす王は英雄ですが、歴史書を開けば凡百の王です。敵国の侵略をふせぎ、民を戦火から守り続ける、前代未聞の偉大な王になるというのはどうでしょう」と答えたのをみて、娘のために絶対にこいつを離すまいと誓う


第三王子

・やたら計算に強い。いまは、大きな数字が増えたり減ったりするのが好き。

・いつか庶民になり、小さな自分の店を持ち、自分の財産を持ち、自分の帳簿をつけたいと思っている。


ハレンチーヌ・ベスケデス

・ベスケデス侯爵領の偉大な女侯爵。夜会には露出が多く先鋭的な衣装で出没し、ここ五年ほど背中に布をまとったことがない。ヨルアサ王国三大美女のひとり。既婚者。

・ベスケデス領はベスケデス大学領とも呼ばれる。領内にあるベスケデス大学は哲学の名門とされ、貴族の子弟が多く通う。ハレンチーヌはその学長。

・女性の自立、地位向上、そしてパートナーを重んじ、自分自身の体と心を大切にする光のセックスをほんとうにまじめな気持ちで布教している。

・夫が闇のセックスに堕ちかけたとき、ハレンチーヌはとくにそういう約束があったとかではないが突然一糸まとわぬ裸となって馬にまたがり、城下町を闊歩した。街の人々はきちんとした教育を受けているので窓をしめて彼女の裸身を見ないようにした。こうして夫は光のもとに帰ってきたという。(伝説)

・領地の運営に関しては賢明で先進的であり、身分を問わない合議制を導入している。またハレンチーヌの父親はヨルアサ王国国王と懇意であり、王子、王女たちの誕生と生育に関わっている。


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