みなと
異世界恋愛ロマファン
2024年11月19日
公開日
23.5万字
完結済
彼女は、とても優秀だった。
優秀だったが故に、大きすぎる想いがうっかり暴走してしまったのだ。
欲しいものを手に入れるために努力は惜しまない、そんな彼女の手から溢れ、零れ落ちた、彼女にとっての幸せ。
幸せを手に入れたはずだったのに、いつしか歯車は噛み合わなくなり、外れ、壊れてしまった。
いつしか彼女はこう呼ばれる、『稀代の悪女』と。
どうして、と問うても答えは返ってこない。
処刑の瞬間まで彼女はどうして、を繰り返したが結局、迎えたのは『罪人としての死』
『なぁ、お前。後悔したまま死ぬなら、やり直さないか?』
差し伸べられたのは悪魔の手。
しかし、彼女は躊躇しなかった。
『次は……使われるだけの存在になんか、ならない!!』
強すぎる意思をもって、異質な力で彼女は戻る。
全てをやり直して、今度は傀儡にならないために。そして――。
『わたくし好みの素敵なお方と幸せになりますわ!!』
誰よりも、幸せになって笑うために。……彼女の決意はひたすらに固く、強かった。
相手を想いすぎるが故に悪役令嬢となった公爵令嬢が、不要なものは捨て去って己の幸せを手にするまでの物語。