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名誉副所長、詩江里聖奈の再入所を確認。
新たな侵入者を検知、グローバルネットに照合。
――日本のデータバンクに発見。99%の確率で南方祝馬と推定。
両名を重要監視対象と認識。横に並び、廊下を歩行中。
「……なあ」祝馬、発声。「おまえの研究所ってロボットとか造ってんだよな。そいつが大異変に関係してるかもしれないって? それなに、ターミネーターかなんか?」
聖奈、肘打ち。祝馬の腹部に命中。
「いいから、これ持ってて」
自身の鞄より銃を取得。悶絶する祝馬へと譲渡。
「危ないの出てきたら撃ちなさい。あなた、ゾンビやっつけるゲームとか得意でしょ」
「……痛ェ。で、なにこれ。マシンガン!? おまえバッグになに入れてんだよ! こっちでもライセンスとかいるんだろ。頭いいからって子供だし……。て、なんだおもちゃか」
「警備室に置いてあったの。MP5Kシリーズみたいね、――ばか!」
聖奈より祝馬にビンタ。
「銃口向けないでよ! 本物なんだから」
「……痛い、じみに痛い。つーかなに、こんな軽いのが本物? んなアホな。明らかにプラスチックじゃん」
「まあね、これも異変の影響でしょ。安全装置もないし、弾倉は空だけど弾も出る。反動もないし音も小さいから楽に扱えるわ」
「冗談だろ?」
両名、第一資料室前で停止。聖奈、扉を開閉。
「疑問はあと、探索しなきゃならないんだから。……あのパソコン怪しいわね、あなたがいないときは全部電源がついてなかったのにあれだけ点いてる。調べるわよ」