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第7話:ウィーゼルの危機

 もう一度、“気合!”とさっきの攻撃を繰り返す、一瞬で拭い戻し納刀する、そして瞬間に全ての技を居合と一緒に解き放った。


 今度は赤い悪魔の背中側の腰の尻尾の付け根あたりに集中させた、全部で十二発のソニック・ブレードがそこに向かって集約する、


 又もや悪魔が叫んだ


“ドゴヴァァァァァァァァッ!!”


 周囲に白い何かが飛び散った、こちらに二つほど飛んでくる。


 戦場居合!! といって納刀してない状態から居合のような技を繰り出し、インタラプトでソニック・ブレード二連撃!! とその飛び来る白い何かを二つとも斬り払った。


 直後、私の左右後方で爆発音がした。


 『ウィーゼル』は辛うじてそれをかわし、『ゲルハート』は近くだったため左前方へ飛び込みながら移動回避した様だった。


 『ウィーゼル』が華麗に飛び蹴りからのラッシュを悪魔に見舞っていた。


 あれ? 五回蹴れてる? 確かに五発見えた。


 意識的に思い込んでしまうと、本来ある筈の実力が出ないと師匠から教わったことがあった。


 『ウィーゼル』は自然体で戦っていたので、それは気にする必要が無かったらしい。


 『ゲルハート』が起き上がり様の体勢の悪い状態から、「コレでも喰らえ!ストライクパワーヒット!!」今度は悪魔の尻尾を狙った様であった。


 グレートソードを、綺麗に振り下ろす。


 今度は真面に入って、尻尾が千切れて飛んだのである。


 直後、悪魔の叫び声が響き渡った。


“ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁーっ”


 そこに、さらに『セリア』の魔法が炸裂した。


「ダーク・クロウズ!!」悪魔の周囲が黒い闇が掛かったようにになる、悪魔が抵抗に失敗したらしかった。


 もう一度納刀する、精神を瞬間だけに集中させる。


 先ほどの攻撃ではなく、最大解放状態をイメージして集中すべきは悪魔の尻尾の付け根に向かって連続攻撃を仕掛ける事にする。


 全てにラッシュとストライクを乗せた上に、ソニック・ブレードも乗せる算段である。


 そして瞬間に全ての技を居合と一緒に解き放った! 今度こそ、無言で悟りに近い境地まで行った。


 全部で三十発のソニック・ブレードが、赤い悪魔の尻尾の付け根に吸い込まれて行った。


 次の瞬間、悪魔が声にならない叫び声をあげた!


“ッア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!”


 その直後、悪魔の胴体がズルりと嫌な音を立てて上半身が前に落ちた。


 危険を感じた『ゲルハート』が咄嗟とっさに、後方に向かって飛び込み移動回避する。


 私もサーコートで目をおおった。


 次の瞬間、悪魔が凄まじい閃光を発し半径一メートル程度を巻き込み爆縮した。


 小さいながら、きのこ雲が上がる程度には凄まじい威力だったらしい。


 咄嗟に『セリア』は、幌馬車に飛び込んでいた。


 なので閃光を見ただけで済んだ。


 『ウィーゼル』が近くにいてガードしかできなかったようだった。


 だが顔はふさいだため顔は無事だったが、爆風をモロに喰らって幌馬車まですっ飛ばされ激突していた。


 私のところまでは強い爆風はこなかった。


 ちょっと強めの風だけ、だった。


 覆いを取ると『ウィーゼル』が、幌馬車に当たっていた。


「『ウィーゼル』!!」と私が叫び爆発跡を大きく迂回うかいし幌馬車に向かった。


 ちょうど五号車に、当たったらしかった。


 『ゲルハート』も来たので「『ウィーゼル』を幌馬車から外さないと」と私がいうった。


 すると『ゲルハート』がいった「待て治療が先だ、『セリア』来てくれ! こっちだ。『ウィーゼル』が不味い!」といった。


 『セリア』がやって来た、「治療符を予備に持っていてよかった」と『セリア』がいう。


「『ウィーゼル』! お願い目を開けて!」と私は、声を掛ける事しかできなかった。


「爆風をモロぐらいしたんだ」と『ゲルハート』がいった。


「多分吹き飛ばされたんだろう」と続けた。



「回復なら、私も少し使える」思い出したのだ師匠からアレを教わったことを。


 直接触らない様にそっと手を伸ばす精神を集中させた手のひら側に“ポウッ”と光が灯る「“リカバリィ!”」と静かに言った。


『セリア』がいった「神気法ね、それなら干渉しないわ」と。


 少し長めの札を取り出すと「アンサーシール!」といった。


 札の文字が、光り始めた優しい光だった。


 もう一枚取り出し再び「アンサーシール!」と唱えた、符術はどうやら一度使うと書いてある文字が消えてなくなる様であった。



 私はひたすら、リカバリィを集中させ続けた。


 それから三十分は経っただろうか、『ウィーゼル』が目を開けた。


 何が起こったのかを把握するまでに、少し時間がかかったらしい。


 神聖魔法を唱え始めた「ハイ・リカバリィ!」体力そのものは回復した。


 だとしても、怪我の状態が厄介だった。


 『ウィーゼル』がいった「大丈夫だ、今ならまだあれが使える。『リフレッシュ!』」と状態回復を唱えた。


 怪我も、回復するようであった。


 『ゲルハート』がいう「車輪に刺さらなくてよかったな」と。


 『ウィーゼル』がいった「面目ねぇ、ヤバいとは思ったんだが馬車まで距離が無くてな」と。


「自分で外せるか?」と『ゲルハート』が聞いた。


「右手を貸してくれ。そこを軸にしたい」と『ウィーゼル』がいった。


 二人の会話を聞いて、私は少し離れた。


「木で良かったな、鋼だったらと思うとぞっとするぜ」と『ゲルハート』がいって手を貸した。


 右手を軸にして『ウィーゼル』が、メキメキ馬車をいわせながら引きがしていった。


「軽装防具だったのが、不味かったのかもしれんが」と『ウィーゼル』。


「そんなことはねぇ、皮がクッションになったんだ。防具は、皮が一番だ」と『ゲルハート』が続けて「骨は逝ってないよな」と続けた。


「大丈夫の、はずだが」といって足回りから上半身頭や首を動かして確認して行く。


「流石に、今回はこたえたな」と『ウィーゼル』がいった。


 『セリア』がいった。


「『ウィオラ』!?」と、それを最後に意識が暗転した。


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