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第9話 野盗宿

 シゴクの宿について四人部屋と馬車部屋を取った一行は、『ゲルハート』の持ってきた一人千五百ゴルトという報酬に皆閉口へいこうしていた。


 とても重いのである。


 私の現額が、二十二プラナ二千七百九十七ゴルト七十七シルズ八十ブロスとなったわけである。


 旅行財布の中身[3.852kg]

 十P×二[0.06kg]、一P×二[0.012kg]、

 五十G×五十四[3.24kg]、十G×九[0.27kg]、五G×一[0.025]一G×二[0.03kg]、

 五十S×一[0.05kg]、十S×二[0.07kg]、五S×一[0.025kg]、一S×二[0.04kg]


 旅行小銭入れの中身[0.16kg]

 五十B×零[0.00kg]、十B×八[0.16kg]、一B×零[0.00kg]、

 五十Ca×零[0.00kg]  貨幣全重量四.〇一二キログラム、


 体重を除く全備重量が六十八.八八二キログラムとなったのであった。


「増えすぎでしょう。五十ゴルト金貨一人三十枚も……でもこの人数で換金に行ったら銀行がパンクしかねないわね。小さい街だと」と『セリア』はいった。


 そしてもう一つ懸念事項があった、ランクの問題である皆トップは十五になっていた。


「これはもう他人に見せられるレベルじゃないな」とは『ウィーゼル』だった。


「証明のために今まで見せてきたがどうするかな?」と『ゲルハート』はいった。


「今度は私が見せましょうか? 証明のためだけであれば……」と私はいう、本来ならばこの旅は私がリーダーですしと思いながら。


「まだいいわよ、今のうちは……偽物が出てシャシャリ歩いたらとんでもないことになるわよ」と『セリア』は現実にありそうなことをいうのであった。


「ニセモノかー、女騎士・女魔法使い・剣士・闘士くらいですかね? 警戒するべきは……」と私がいった。


「同じカラーの四人パーティーって言うのも加えないとな」と『ウィーゼル』はいった。


「今は同じ証明者が続行するべきではないかしら、私たちのニセモノが出ない為にも」と『セリア』はいうのであった。


「まぁ冒険者証は本人以外が使ってもすぐにバレるけどね」と『セリア』はいったが今一つ不安になるのであった。


「パーティーに名前でも付けてると余計に悪目立ちしますしね」と私がいった。


「誰かが証明人になれるくらいの階位があればなー。ニセモノは減るのに」とセリアは非現実的なことをいった。


「フレイニア王国ですからねぇ……一応友好関係はありますし同盟国でもありますが」と私はため息をついた。


「身の証くらいなら立てられなくはありませんが、ここで名乗るのもなー」と私がいったのであった。


「まぁ今日は寝ましょう、疲れましたし」といって荷物をベッドの下に入れると休み始めたのであった。


 直ぐに寝たふりに到達した。


 何かいやな気分があったのだ。


 すると鍵をかけているのにも関わらず、“スー”っと空いて行く扉があった。そこにいたのは野盗の集団である。


 忍び足で正面右側に寄ってきた時であった、サーコート左側に隠している右手から一閃片手居合をぶっぱなしたのだ。


 何が起きたのかわからずそいつは胴体が上下に別れ“ドシャッ”と倒れた。


 そのままベッドの左側に回転して落ちると荷物を取りすぐに背負った。


「ヤッチマエ!」と野盗がいった次の瞬間! 漆黒の大剣が大振りに振られ残った三人も同時に胴が斬れて綺麗に“ドシャ、グシャッ”と音がした。


「そこにいる、手引きしたもの出てきなさい。出ないと壁ごと行きになるわ!」と私は強めで警告した。


「逃げれば殺しますよ!」と『セリア』がさらに警告した。


 そこには宿の主人が出て来ていた。

「そこな店主お前は何をしたのかわかっているのか?」と『ウィーゼル』がいった。


「下の馬車には何も無かったので、御命頂戴おいのちちょうだいしにまいった!」と『セリア』に突撃したが、「ショックバレット!」と十四連撃もらってバラッバラに体が飛び散ったのであった。


 直ぐに衛兵がやってきてこういった「身の証を立てられる者はいるか?」と『ゲルハート』は冒険者証を提示した。


「アンタたしか詰め所に居て俺が金貨を受け取るのを見たよな? 違うか?」といった。


 次の瞬間、『ゲルハート』は私のほうを指し示し「ヴェルゼニア王国上級伯爵御令嬢のガードをしているものだ。何かあればことは国際問題に発展するぞ役人が野党の親分になっているとかだとな!」といって漆黒の大剣を突きつけた。


 『セリア』はその時思い出した『テッラエ上級伯爵』の事を。

 でも今はそれは置いておいて、「閣下の一言であなたの命は消えると思うけど、どう言い訳なさるの?」と『セリア』が『ゲルハート』に合わせた。


「その言葉しかと聞き届けた」とサリーネの正義を表す聖印を出した、『ウィーゼル』がいった。


 その瞬間、私に向かって役人は斬りつけてきた。

「バカメ!」といって両手首りょうてくびを斬り落とした。

 そういう意味では容赦ようしゃはなかった。


「先程の話、全て聞かせてもらった!」とソイツの上役らしき役人がやってきて私のほうを向いて、「上級伯御令嬢には申し訳ないことを致しました。コイツは我々で預かり二度とこのようなことはさせませんのでどうか国際問題にだけはしないでいただきたい」と平伏ひれふしてお願い事をしたのであった。


「二度とこのような事の無いように、役人が野党と一緒に組んでいるなどと言うのは国の恥だと思いなさい! その者は一生両手を付けないように!」と厳しくいってみた。


「ははーっ、仰せのままに」実のところ軍事力で言えばフレイニア王国<<越えられない壁<<ヴェルゼニア王国になるのでフレイニア王国としては何かあると滅ぼされる勢いなのであった。


「今回は役目を持たない私用の旅路ですが、見逃すわけには参りません、厳罰を申し付けます」といい切ったのであった。


「それと緘口令かんこうれいを引いてください。ここに私が居ると言うのを大っぴらにされても困る用事ですので」というのを追加したのであった。


「ここでは冒険者パーティーが貴方と共同で内側のネズミを退治したという筋書きでいかがでしょうか? その方があなたにとっても都合がよいと思いますが?」というと。


「かたじけないお言葉、ありがたく頂戴致します」というと。


「その役人モドキを引っ立てい」といって部下を即部屋に入れ、「死体も片付けろ!」と命令したのであった。


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