「……さて。では、リーダー諸君、改めてブリーフィング開始といこうか。若きリーダーたちの育成に協力してくれたこと、感謝する」
残像を残し、“
それを合図にホログラムが市街図へと切り替わる。
カシーゴ・シティと周辺地域を描いた地図には、
「Jeez! この“ウルフマーク”がネクマスの読みってぇことか!」
「その通りだ、リーダー・クレディウス。僕の予測では、これら16の地点で件のスペクター――〈
「……いずれの場所も
「言ってくれるね、リーダー・グリラ。しかし残念ながら、見ての通り、今回ばかりは僕でも笑える状況ではなくなった」
「見事に俺らのパトロールが薄い範囲と重なってしまいましたなあ。無論、マスターのことだ。これだけでマーキングしたわけでもないでしょう?」
「もちろんだとも、リーダー・バース。根拠は二つだ。一つは、これまでに救命活動が実施された記録がないか少ない場所であること。もう一つは、僕ならそこを選ぶ」
流れる無言の雰囲気に背を押され、ハリスはマップの端で踵を返すと先を続けた。
「
「What's?! 運搬だって? まさか、スペクターがスペクターを背負ってくるとでも言うつもりじゃねぇだろうだろうなぁ、ネクマス?」
いくつかの笑い声が挙がり、ついハリスも口元が緩んだ。クレディウスの冗談が、本当に冗談で済む話だったならどれほど楽だっただろう。
が、沈黙を選んだハリスの様子に、リーダーたちが気付かない訳もなかった。
「……もしや、マスター。本気でそのようなことがあると?」
「チーム〈ファイア・マカロン〉を襲撃したスペクターたちから共通項は何も発見されなかった。赤の他人同士なのは間違いないだろうね。――ただし」
広々とした会議室の中央に浮かび上がるホログラムマップ。
その立体映像が切り替わると同時に、この場にいる全員が静まり返る。
理由は、映し出された凄惨な遺体ではない。並べて表示された、検査結果のほうだった。
「
「そんな馬鹿なっ! スペクター化で血液型は変化しませんぞ!」
「そうとも。あり得ないことだよ。だが実際、こうして証拠が出ている。そこから導き出される推測は一つしかない。――〈リヴェンジャー〉は偶然ではない。