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第79話・アナザーアクション・05


「あら、意外と近くにいたんですね?」


ポニーテールにライダースーツという出で立ちいでたち弥月みつきが―――

和風の着物にシルバーの長髪の詩音しおんと相対する。


「惑わせの術が破られただけですわ……

 勝負はこれからですわよ」


「止めておきなさい。

 あれで私の実力はわかったはずですよね?


 それとも肉弾戦で来るつもりですか?

 私、接近戦でもそこそこ戦えますので」


すると着物姿の方は、やや姿勢を低くして構える。


「―――!

 やれやれ、少しはまともな判断が出来ると期待したんですけど。


 それならそれで楽しませてくださいね♪」


「人間を『狩った』経験はありませんが……

 目的を吐かせないといけません。


 大人しくしてもらいますよ」


詩音の言葉に弥月はくすっと笑って、


「その言葉、そっくり返して差し上げ―――」


彼女が言い終わるのを待たずに、あやかしが文字通り『飛び掛かった』。


そのまま彼女の上に馬乗りとなり、勝負は決まったかと思われたが、


「あ……ぐ……」


上になった詩音が、力なくうなだれ意識を失う。


弥月は飛び掛かられ倒されたのではなく、自らのけ反って後方に倒れ―――

詩音が上になった時、みぞおちに一発入れたのである。


そして妖の者が重力に従い彼女の上になった時には、すでに反撃する力も

無かったのだ。


「やれやれ……まあ女性でしたし顔は攻撃対象から外しましたよ。

 お腹だからいいというわけでもありませんが―――」


上に乗っかっている彼女をどかそうと、弥月が上半身を起こそうとした

その時、下の彼女は何らかの違和感に気付き、


「ん……? 何かお腹に当たって……

 あれ、この妖って女性じゃ―――


 ……はいいぃいいっ!?」


ひとしきり叫んだ後、弥月は顔を真っ赤にして気を失った。



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