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第78話・アナザーアクション・04


「うぅ……っ、い、いい加減にしてくれませんかね?

 こっちは移動時間が長かったので、その疲れもあるんですし」


『そっ、そちらこそ諦めてくれませんか!?

 ていうかあなた、陰陽師おんみょうじとかでしょう!?

 アタシ、人様に迷惑かけた事なんてそんなにありませんよ!』


弥月みつき詩音しおんが対峙して30分ほど―――

彼女の異能の力と、野狐やこ妖力ようりょく拮抗きっこうしたままで……


『ていうかあなた、どこから来たんですか?』


「私? 私は東京からですけど―――」


『えっ。いいなー、アタシも一度行ってみたい……

 じゃなくて! アタシ東京なんて行った事ないですよ!

 あなたにも迷惑なんて当然かける事は出来ませんし―――


 それがどうしてあなたに狙われなければならないんですか!!』


詩音が疑問を口にすると、


「それが関わっているから不思議なんですよね。

 ここに誰か、人間が来ているでしょう?」


『……っ!? まさか、ミツ様の……!?

 それならなおさら、ここを通すわけにはいきません!!』


「まあ別に、無害という事がわかればいいんですけどね。

 ただしこの目で確かめなければ―――」


弥月は胸の前で組んでいた両手をいったん離すと、また別の動きをして

空を指で切り、


「という事で……ーーーっ!!」


ぶわっ、と彼女の周囲で風が巻き起こる。すると―――


『きゃあああああっ!?』


そこでフラフラになった詩音が、彼女の前に姿を現した。



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