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第82話・確認


「それで、あの―――


 武田部長と安武やすべさんはどのようなご関係なのでしょうか?

 安武さんについてずいぶんとお詳しいようですけど」


弥月みつきさんの言葉に、俺と画面の向こうの武田さんは硬直する。


『えっ? あ、えーと、そそ、それはねっ。

 い、以前一緒に仕事した事があってその縁でねっ。

 でも決して公私混同とかではなく、能力はきちんと精査した上で』


裕子さんが珍しく慌てふためいて対応し、


「確かに俺と彼女は付き合っているけど……

 だけど正式に付き合い始めたのは今回、スカウトの話が出た後で」


俺の話に、ポニーテールの彼女は涼し気な表情で流すように、


「あ、いえ。別に安武さんの能力を疑っているわけじゃありません。

 私もその仕事ぶりは見ていますので。


 つまり―――

 武田部長と安武さんは恋人同士、という認識で合っているんですね?」


『は、はい』


「ああ」


俺と裕子は同時にうなずく。


「そしてここにいる人外の方々と、恋人関係という事でも無いんですよね?」


話を振られた人外3人組は、


「そうだねー」


「お2人が付き合っているのですから、入る余地は」


「そういう事だべ」


理奈、詩音、銀がウンウン、とうなずいて肯定する。


「それでこの3人の人外の方々は、フリーという事ですね?」


『えっ?』


「んん?」


弥月さんの言葉に、俺と裕子は思わず疑問の声を上げるが、彼女は

それに構わず倉ぼっこ・野狐やこ川童かわこたちに近付き、


「フリーなんですよね?」


それを聞いた彼らは互いに顔を見合わせ……


「まあ、そうかな?」


「特定の相手はおりませんけど」


「そもそも出会いが無いっぺよ」


それを聞いた彼女は褐色肌の青年の腕に抱き着き、


「では、私が銀様と付き合ってもいいという事ですよねっ!?」


その言葉に室内がしばらく沈黙し―――

やがて理解した順に驚きの声を上げた。



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