「では、私が銀様と付き合ってもいいという事ですよねっ!?」
「い、いや、どういう事だっぺ!?
お嬢さんは妖怪退治のプロフェッショナル、そういう一族なんだべ?
それがオラと付き合ってもいいんだべか?」
「銀様は私の事、お嫌いですか?」
片腕にしがみつきながら、涙目でウルウルと見上げるポニーテールの彼女に
銀は視線をそらし、
「そ、そったらことねぇべが、まだ出会ったばかりだべ。
こういうのはもっと時間をかけるものだと思うっぺよ」
「そうですね! まずは友達から、ですよね!」
あらヤダこの子超ポジティブだわ。そして彼女は続けて、
「では部長! 私もこの家に通っても構いませんよね!?」
「いやこの家の所有権は俺の」
俺がそう言いかけたところで理奈と詩音が割って入り、
「これは女同士の話ですから」
「この駆け引きは、男性が入るべきではないかと」
と、有無を言わさず納得させられ―――
弥月さんと裕子さんの話し合いが続く。
『ま、まあ仕方無いわね……
その代わり私と
「えー? 女性社員はもうみんな知っていると思いますけど?」
『そこは最初から諦めているからいいわ。
男性社員に内緒に出来ればいいから』
そのやり取りに思わず倉ぼっこ・
「え……?
俺、彼女とは一緒に昼食にも行かないし、通勤も帰宅も時間ずらして
いるんだけど」
「その程度でバレないわけないでしょー?」
「女性は男性のように鈍感ではありませんよ、ミツ様。
特に恋愛に関しては」
マジか。普通に他の女性社員とも接していたのだが―――
全部
俺は改めて女性の恋愛センサーのすごさを思い知り、
裕子と弥月さんのやり取りを見守った。