「ねえねえ、お兄ちゃん!
後で一緒にお風呂入ろ!」
「せ、背中くらいなら流してあげるわよ!
前向いたら承知しないからね!」
「……具合が悪いのですか?
それなら、わたくしの膝でお眠りになります?」
「これだけの女に囲まれても動ぜず、か。
私は嫌いではないがな」
『通報する』という最終手段を突き付けられた自分―――
ロリにツンデレ、メイド、男勝り……
その前にも僕っ娘や巨乳、熟女、和風美人というのも来た。
どうもこうやって自分を懐柔させようとしているらしい。
おそらく全員
男は落ちるだろう。
しかし自分を舐めてもらっては困る。
何せこの国の二次元で鍛え抜かれてきたのだからな―――
「うー、この姿で迫ればお兄ちゃんくらいの大きなお友達はイチコロって
聞いてたのにー」
「し、紳士過ぎるのも問題だと思わないわけっ!?」
「はあ、妹様もおっしゃっておりましたけど、本当に
「私もこの姿に自信はあったのだが……少しショックだな」
しょんぼりと肩を落とす彼女たちに少しは同情するが、それでも自分は
弥月一族として屈するわけにはいかない。
それに―――そもそも自分の理想の属性はこの中にはいない。
徹底して情報をシャットアウトし、
知られていないのだ。
それすら用意されていたら危ないところだったが。
しかし知られたところでそうそう用意出来るものではないだろう。
何せ自分の理想のタイプは……
外見は幼そうに見えて、それでいて年上であり、かつ組織のトップなどの
地位にいる頼りがいのあるお姉さんだからな―――
むしろそこまで条件が揃っていたら、人外だろうが自分の方から
アタックするだろうけど。
そう考えていると、同室にいる女性陣が左右に開き頭を下げ、
「ぬ、
「なぜここに……!」
「い、今は取り込み中でして」
主だと? 確かにこの
これほどの力、どうしてこうまで接近されるまで気付かなかった?
身構えていると
「おうおう。イキのいい奴が来たと聞いたのでな。
お前があの弥月とやらの兄か?」
「結婚してください」
「……は?」
目の前に、赤い肌をした10才くらいに見える、主と呼ばれた着物姿の
少女が来た時―――自分は思わずプロポーズしていた。