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第105話・問題解決(身分証)


「……えっ!? 戸籍を用意してくれたんですか!?

 はあ、俺の遠い親戚という事で―――


 義務教育を済ませていないと面倒なのと、成人した方が後々問題が

 起きないだろうという事で、18歳以上になったと。

 そうですね、それで構わないんじゃないかと思います。


 妹さんと武田さんはすでにご存知と……

 ああ、じゃあ銀はもう知っていると思います。


 わかりました。それでは―――」


俺は自宅でスマホの通話を終えると、ふぅ、と一息つく。


「んー? どったの、ミツ」


「何かあったのですか? ミツ様」


そこへ倉ぼっこの理奈と、野狐やこの詩音が現れ、


「あー、銀はいないけどいいか。もう知っているだろうし」


俺は二人に対し、身分証が作られた事を説明する事にした。




「へー! 僕たちに人間としての身分がつくんだ!」


女子高生くらいの、和風な着物を着た少女が目を輝かせ、


「ミツ様と遠縁になるんですか……

 あ、アタシの性別ってどうなってます?」


長い銀髪の、女性にしか見えない男性が聞き返す。


「詩音は多分男になると思うけど―――

 まあ、あくまでも仮の身分だし、週末には弥月みつきさん兄妹が

 持ってくるって話だから」


兄である琉絆空るきあさんからの連絡で、俺は言われた内容を

彼らと情報共有する。


「じゃあこれで、いつでも上京出来るって事だね!?」


加奈かなさんのお兄様には感謝ですわぁ♪」


きゃいきゃいと女子同士が盛り上がっているところへ、

ガラガラと玄関が開く音が響き、


「ミツー、さっき弥月さんから電話が来たんだべが」


「ああ、戸籍の事だろ?」


そこで銀も話に加わった。




「そーいえば僕たち、すでに名前あるよね?」


「そうでしたね。ミツ様、それはどうなるんでしょうか」


理奈と詩音がふと疑問を口にするが、


「あくまでも『仮』で付けただけと言っていたから……

 気にしないでいいんじゃないか?


 改名も出来るし、あくまでも人間としての身分証だから」


2人はうなずくと、銀が口を開き、


ぬし様にはどう連絡するべえか」


「そうだな、一応伝えておくべきか」


そこで誰か行くかで話し合いが行われ、女性陣として理奈と詩音が

行く事となった。



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