女子会が二階で行われている一方で―――
一階の居間で男同士で雑談していた。
「これで一応、
公式に認められた事になりますが。
この後、銀と加奈さんの仲を認めてもらう方向で動くんでしたっけ」
俺が確認のように話を振ると、
「ただまあ、母さんはすでにわかっていると思います。
今回はあくまでも協力者としての紹介だけだったので、
ひとまずはそこで話を終わらせたんでしょう」
中肉中背の青年が答え、
「加奈さんも似たような事を言ってたべ。
ただ、お兄さんとの仲が認められたんで、今回はこれ以上
話をこじらせないためにいったん帰ったんじゃないかと」
最初から見抜いていたっぽいもんなあ、あのお母さん。
だからこそ
それに息子だし、女親として用心するのも無理は無いか。
「じゃあまた時期を見て、という事になるのかな」
「正確には、弥月一族に戦力として舞桜さんが加わったと、
全体に伝えられた後でしょう。
多分明日には、メールや電話で連絡が行くんじゃないですかね」
琉絆空さんは普通のように異常な事を話す。
「反対や反発はありませんかね?」
「母はあれでも、一族の中では相当な実力者です。
それに鬼が戦力として加わるとなったら、表立って反対する者は
いないと思われます」
「正直、あのお母さん……
本気出したら今の
互角以上に戦える気がするべよ」
褐色肌の青年がうなずきながら話すと、息子もまたうなずく。
「そういえば、銀と加奈さんの仲はその―――
お兄さんとしては?
当初は反対しに来ていたような」
そこがなし崩しになっていたので、確認の意味も込めて問うと、
「今の自分は、『お前が言うな』って状態ですし。
それに舞桜さんもアイツの事を応援しているんで」
兄としては複雑だけど、恋人も認めている以上反対はしない、
という感じか。
そこまで話したところで、女性陣が下りて来て……
一通りこちらでも男女混ざって雑談に興じた後、
カップル組はそれぞれの場所へ―――
理奈と詩音は二階の寝室へと向かった。