「
今度の週末空いてる?」
あたし・
元気良く声をかける。
「どーせまたあのメイド喫茶でしょー?」
「……最近……多い……」
ツインテール&三白眼と、ポニーテール&丸顔&ジト目の2人が
呆れながら返してくるけど、
「じゃあ行かないの?」
あたしが細目の目をより細くして聞き返せば、
「まあ思ったよりも面白いところだし」
「……あれは……
と、瑠奈ちゃんも一花ちゃんも反対しないのだ。
「あ、でもお母さんから注意されたなー。
最近、あそこで変質者が出たんだって」
「……まあ……そこまで遅くなければ大丈夫……だと思う」
その噂はあたしも知っている。
でも夜中の22時を回っていた時の事らしいし、あたしたちはたいてい
20時で帰るから問題は無いと思う。
「でもまー、あそこはそこまで高くは無いとはいえ、
私たち学生ズに取ってはそう頻繁に行けるところじゃないよう」
「……駅から離れている分……家賃が安いから、だと思う……
でも、そうそう行けるわけでも……ない……」
話がややダウナーになって来たので、あたしはスマホを取り出し―――
見つけたばかりの情報を彼女たちに見せつける。
「んっふっふ。これを見るがよい」
そのスマホ画面を瑠奈ちゃんと一花ちゃんが注目すると、
「ん? んんん? これって!?」
「……詩音お姉さまに……お土産をもらえるかも……!?
しかも無料って……!」
そこであたしはスマホを下げて、
「多分、手料理だとあたしは見ているよー。
ただ料理として売るとなると衛生法とかいろいろ引っ掛かるし、
面倒くさい事になるから、そういう形で掲載しているんじゃないかなあ」
「なるほど。それなら無料というのもうなずけるわね」
「……クッキーという線も……あり得る……!
これは……
こうしてあたしたちは合意し、次の週末を待つ事になったのだった。