「いらっしゃいませ~。『
姫カットの二十歳前後の女性が、旅館のユニホームである着物に身を包んで
元気よく声を上げる。
調査に来た若者3名は結局、
老舗旅館『源一』へと移動。
そこで一泊する事となった。
「ええと、お話は聞いておりますから」
「ゆっくりしていってくだせえ」
片目を髪で隠した12・3才くらいの中性的な少年と、ザンバラ髪の
彼ら3人と年齢が変わらなそうな青年が続いて出迎える。
歓待を始める。
「……君たちが妖怪?」
1人が目を丸くして聞き返すが、
「はーい、猫又の
「一つ目小僧の
「唐傘お化けの
あっさり自己紹介され、彼らは頭を抱える。
「いや、どこからどう見ても人間にしか見えないが」
「正体が
何か仕事っぷりが見たいという事だったので―――
まあ好きに見ていってくれにゃ!」
まるで隠す事など何もない、というように……
そう言うと妖たちはペコリと頭を下げた後、それぞれが持ち場へと
散っていった。
「銀ちゃーん! ご指名ー!
人見君も連れて行って!」
「わかっただ」
「はーい!」
旅館の女将さんの声で、同じ
褐色肌の青年・
「時雨さん、ちょっと遠出になるけどまた来て欲しいって依頼が」
「あの~……いくらあっしが
限らないんで……」
困った顔の唐傘お化けが、それでも一応話を聞きに向かう。
「
またお年寄りの方々だけど、相手出来る?」
「まーかせて!」
次から次へと旅館から出される指示に、妖怪たちは対応し―――
それを見ていた調査隊? の3人の青年は、
「普通に仕事してるな……」
「むしろ信頼されているというか」
「そこらの人間より、よっぽど生き生きとして仕事している感じだ」
彼らの仕事っぷりを見て、3人は顔を見合わせた。